慶應医学部発、医療AI&ブロックチェーン企業。症状を伝えて体調の緊急性を判断するシステム「ドクターQ」を開発
株式会社NAM
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会社概要・事業内容
会社概要
ヘルスケア分野に深層学習技術、ブロックチェーン技術を応用するために2017年創業した慶應義塾大学医学部発のスタートアップ。医療、創薬に特化した人工知能の開発、ブロックチェーンによるデータ管理や、決済システム・ブロックチェーン・RPAの開発を行っている。
医療機関が生み出す様々なデータを利活用するために、ブロックチェーンによる改ざん不能なデータの管理、貯蓄された生データから医療AIを開発・応用を行い、ヘルスケアにイノベーションを起こすことを目指す。
GINZA SIXで展開している高精度の遺伝子検査サービス「NAMヘルスラボ」や、ブロックチェーンによる医療情報管理、音声認識による自動カルテ書記など革新的な技術開発、石垣島徳洲会と連携し医療過疎地でのAI応用を模索、NNVIDIA社のプログラムにてパートナーと認定されることで深層学習技術の開発を進行。
2019年6月には、世界最多10種の遺伝子を含む抗がん剤の副作用を予測する遺伝子検査キットの世界同時発売を開始。
2019年10月には、国内初、量⼦コンピュータの創薬応用を目指し、創薬に特化した量子機械学習ライブラリを開発・ソースコード公開をすることを発表。新薬の開発コストと市場投入までの時間を量子劇的に削減を目指す。
事業概要
最先端の科学技術を医療に応用し、ゲノム検査とその結果に基づく疾患予測を入り口とした予防医療に加えて、医療AIを用いたフォローにより個別化された医療を目指す。
ゲノム解析と創薬AI
ゲノム検査サービスを始め、貯蓄されたゲノムデータから人工知能による創薬アルゴリズムを開発。
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- 創薬AI
ゲノムとクライアントの生活情報を併せ持つ当社独自の匿名化されたデータベースに基づき、新たな創薬チャンスを人工知能によって発掘。薬物相互作用(DDI)や薬物-食物構成相互作用(DFI)を含む薬物相互作用を予測するための深層学習アルゴリズムをソフトウェア化し、データ契約をした契約企業に貸し出しを実施。またDeepchemを利用し、世界の創薬データコンペティションに参加し、実績を作っている。
- 創薬AI
医療AIの開発
現代医療が抱える課題へのソリューションを提案。
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- 大衆向け医療用チャットボットの開発
個別化された医療を実現するため、診断助言からパーソナルデータの保存まで実用的な機能を付帯したチャットボットを開発。 - ローカライズ化された医療用チャットボットの開発
自治体ごとに多い疾患や症例も異なるため、地域の特性に合わせてチャットボットを適宜開発する。 - 会話スピーカー搭載型チャットボット
高齢者や体が不自由な方向けの会話完結型仕様を開発中。 - 医療用ハードウェアとの連携
医療はソフトウェアのみで完結せず、血液検査からCT、内視鏡を含め、ハードウェアと密接な繋がりを持っている。それらの機能を強化するような技術をハードウェアに埋め込むことを目標に開発を実施。
- 大衆向け医療用チャットボットの開発
決済システム・ブロックチェーン・RPA開発
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- 決済システム
金融業界向けシステム開発や、クレジットカードや電子マネー、デビッドカードなどの各種カード決済を導入できるサービスを提供。 - RPA
人間の知能をコンピューター上で再現しようとするAIや、AIが反復によって学ぶ「機械学習」といった技術を用いて、主にバックオフィスにおけるホワイトカラー業務の代行を担う。
- 決済システム
「NAMヘルスラボ」
遺伝子検査サービス、創薬研究、ビッグデータ集積を行う施設。当社の遺伝子検査では、実際の医療でも十分に参照可能な遺伝子検査サービス。疾患の発症予測、脱毛、美容、筋肉の発達などを含む9000項目の遺伝子検査サービスを実施。疾患の発症予測だけに終わらず、要望に応じて国内外の病院機関の紹介も可能。
蓄積された遺伝子データはビッグデータとして匿名化され、第三者機関へ積極的に二次利用される。また、遺伝子提供者には、データの二次利用で発生する使用料金を、長期間利益還元する新たなビジネスモデルを実行している。
緊急性の症状診断「ドクターQ」
人工知能(AI)を利用した問診ボットで、症状を伝えることで、ユーザーの体調の緊急性を判断するシステム。代表である中野哲平氏が2016年度に独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の未踏事業(未踏IT人材発掘・育成事業)にて個人で開発したボットシステムが現在のドクターQ。
経営者プロフィール
代表取締役社長 中野哲平
1992年生まれ。父の仕事の関係で幼少時をカリフォルニア州シリコンバレーにて過ごす。帰国後、慶應義塾高校、慶應義塾大学医学部に学ぶ。慶應義塾大学医学部在学中より、機械学習と医療の応用に取り組み、研究論文を多数発表。機械学習のトップカンファレンスであるNIPSでも論文が採択される。また、経済産業省所管情報処理推進機構より医療IT事業について事業委託を受けるなど官公庁からも研究内容について高く評価されている。
<経歴>
2007年6月 カリフォルニア州サンノゼ, Hyde中学校を卒業
2007年9月 カリフォルニア州クパティーノMonta Vista高校に入学
2008年4月 慶應義塾高等学校入学
2011年3月 慶應義塾高等学校卒業
2011年4月 慶應義塾大学医学部 入学
2017年3月 慶應義塾大学医学部 卒業
2018年4月 東京大学医学部医学系研究科博士課程 在籍中
<受賞歴>
2014 慶應義塾大学医学部 坂口研究助成賞
2015 東京大学元教授颯田先生創設の颯田医学奨学会にて奨学生として採択
2015 Google DeepMind後援のNIPS 2015 Workshop on Machine Learningにて学生賞を受賞
2015 株式会社ピジョン奨学財団にて奨学生として採択
2016 慶應義塾大学医学部 坂口研究助成賞
2016 静岡県富士宮市医学生修学資金に採択
2016 経産省管轄IPA独立行政法人 情報処理推進機構 未踏事業にクリエータとして採択
2017 経産省管轄 IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 未踏アドバンスド事業に採択 (その後、辞退)
<職歴>
2012年7~8月 アメリカ国立衛生研究所にて研究者としてインターン
2013年8~2014.7月 機械学習事業を行う株式会社Preferred Infrastractureにてインターン/アルバイト
2016年6月~2017年3月 未踏事業 経産省管轄 IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 にて事業委託
2017年8月~2017年9月 未踏アドバンスド事業 経産省管轄 IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 にて採択(その後、辞退)にて事業委託
(同社Webサイトおよび同社PR TIMES掲載情報を基に当社編集)