核酸医薬の研究開発を行うバイオテク企業。独自技術による中低分子創薬を行い、新たな治療法の実現を目指す
株式会社Veritas In Silico
画像取得先: http://www.veritasinsilico.com/
会社概要・事業内容
会社概要
三菱ガス化学など名だたる企業の出資のもと、2016年11月に設立された、核酸を標的とした医薬品(核酸医薬および低分子医薬)を開発するバイオテク企業。
従来のタンパク質を標的とした創薬では治療法が創出されにくい疾患に対して、独自の核酸構造解析技術・スクリーニング技術*をもとに、核酸を標的とした中分子(核酸医薬)および低分子創薬事業を展開することで、社会のアンメット・メディカル・ニーズに応える医薬品を患者に届けることを使命としている。
*低分子化合物で狙える核酸分子内標的部分構造を同定し、それに対する高感度な低分子スクリーニングを短期間で行うことを可能にする、当社の独自技術。
中低分子創薬を行い新たな治療法の実現を目指し、任意の細胞内核酸標的に対し、新規中分子医薬品候補の設計法に加え、通常型核酸医薬設計法および低分子化合物のスクリーニング法を適用することが特徴。
また、核酸を創薬標的とした中低分子医薬品の実現のため、アカデミアや事業会社との共同研究も進めている。研究開発の初期から効率的製造プロセスを意識して自社パイプライン創出を実施。加えて、共同研究等を通じて、製薬会社での自社創薬を支援する。
共同研究先の一つで当社の主たる研究所でもある新潟薬科大学では、当社独自の創薬技術を検証。また、その創薬技術から実際に医薬品候補物質を取得し、承認・上市に向けた研究開発も行っている。
低分子創薬事業は、当該事業における技術力を社外へ幅広く提供するプラットホーム事業と位置付けており、すでに製薬会社との共同研究を開始。今後も数多くの企業の創薬パートナーとして、核酸を標的とした低分子化合物医薬品の創出を目指す。
2019年3月、当社の発明の名称「スモールガイドアンチセンス核酸とその使用」に関する国際出願が、特許協力条約に基づいて公開。
2019年9月、当社の発明の名称「RNAの機能を制御する化合物のスクリーニング方法」に関する国際出願が、特許協力条約に基づいて公開。
2019年3月、シリーズB投資ラウンドとして総額約8億円の第三者割当増資を実施。
引受先:New Life Science 1号投資事業有限責任組合、三菱UFJライフサイエンス1号投資事業有限責任組合、みずほ成長支援第3号投資事業有限責任組合、三菱ガス化学株式会社および名古屋大学・東海地区大学広域ベンチャー1号投資事業有限責任組合
理念
従来法では医薬品を創出しにくいターゲットに対して、核酸を標的とした創薬を執り行うことによって社会のアンメット・メディカル・ニーズに応える新しい医薬品を届ける。実験による医薬品候補物質の創出を行うが、バイオインフォマティクスと量子化学計算を手助けとするところが当社の特徴であり社名の由来である。
展望
主事業の中分子創薬では、従来の複雑化していく核酸医薬品に対して、短鎖化など単純化することにより、製造コスト削減・毒性低減等の効果を狙って真の核酸標的中分子医薬品の確立を狙う。当社の核酸を標的とした中分子創薬は、核酸医薬の課題となっているoff-target効果、DDS、製造コストの諸問題を解決し、全ての疾患に適用できる革新的な技術であるため、市場での高い成長が見込まれる。
副事業の低分子創薬では、製薬会社とパートナーシップを組み、当社独自のインフォマティクスおよびスクリーニング法を適用して低分子医薬品を創出。あらゆる製薬会社がもつ低分子化合物インフラを適用しつつ全く新しい創薬を行えるため、創薬における抜本的なパラダイムシフトを狙う。
これらを支えるバイオインフォマテクスは基本的に自社で構築し、非経験的量子化学計算と合わせて当社の競争力と独占性を担保している。
経営者プロフィール
代表取締役社長 中村慎吾
(同社Webサイトを基に当社編集)