心不全向け再生医療等製品の研究開発を行うバイオベンチャー。新たな細胞医薬品「VCF」の開発に取り組む
株式会社メトセラ
画像取得先: https://www.metcela.com/
会社概要・事業内容
会社概要
心不全向けの再生医療等製品の研究開発を事業とする慶應義塾大学発バイオベンチャー。設立以来、新たな治療法を心不全患者に提供すべく、細胞医薬品である「VCF」の開発に取り組んでいる。
当社では近年の研究を通じて、同じ臓器の中に様々な種類の線維芽細胞があること、その中でも機能的な心組織の作製や、心不全の治療に特に適した線維芽細胞群(VCAM-1-positive Cardiac Fibroblast, “VCF”)が存在することを明らかにした。
2016年より心不全向けの再生医療等製品である「VCF」の開発に取り組んでおり、ラットやブタを用いた試験においてヒト由来の「VCF」が心不全を改善する効果を有することを確認するとともに、ヒト由来のVCFを安定的に製造することにも成功。こうした成果を踏まえ、2017年4月より筑波大学と基礎研究および臨床応用に関する包括的な共同研究を開始し、2020年度よりヒトでの効果確認を開始することを目指して準備を進めている。
【心不全について】
「心不全」は心臓の機能が低下して十分な量の血液を送り出せなくなる心臓の状態を指し、依然として根本的な治療法が存在しない一方、高齢化の進展などにより患者数は増加の一途を辿っている。そのため、低下した心機能を回復させる治療法や、リスクの高い心移植を代替する治療法の開発が急がれている。
2018年9月、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の平成30年度 中堅・中小企業への橋渡し研究開発促進事業に採択決定。
2019年6月、経済産業省が推進するスタートアップ支援プログラム「J-Startup」に選定。
事業内容
- 線維芽細胞を用いた心臓疾患の治療方法の研究・開発
テクノロジー
「心臓線維芽細胞」
当社は近年の研究を通じて、同じ臓器の中に様々な種類の線維芽細胞があること、その中でも機能的な心組織の作製や、心不全の治療に特に適した線維芽細胞群(VCAM-1-positive Cardiac Fibroblast, “VCF”)が存在することを明らかにした。「VCF」は培養が非常に容易でありながら、心筋細胞の増殖や移動を促進し、強い心組織の構築を促す力があることが分かっており、ラット・ブタ試験では高い心不全の治療効果を確認している。当社は2017年11月にこの技術について特許を取得(特許第6241893号)、この「VCF」を活用し、患者本人の細胞を用いた新しい再生医療等製品の提供を目指している。
沿革
- 2014年 プロジェクトスタート
- 2016年03月 株式会社メトセラ創業
- 2016年05月 ベンチャーキャピタルからの最初の資金調達を実施
- 2016年06月 NEDO・研究開発型ベンチャー支援事業/シード期の研究開発型ベンチャーに対する事業化支援(STS)に採択
- 2017年03月 NEDO・研究開発型ベンチャー支援事業/企業間連携スタートアップ(SCA)に採択
- 2017年04月 国立大学法人筑波大学と共同研究を開始
- 2018年07月 国立大学法人筑波大学を橋渡し研究機関として、NEDO・中堅・中小企業への橋渡し研究開発促進事業に採択
- 2018年09月 シリーズAラウンドで総額5.2億円の資金調達を実施
経営者プロフィール
代表取締役 Co-Founder, Co-CEO 岩宮貴紘
- 2014年3月 東京女子医科大学医学研究科博士課程修了(医学博士)
- 2010年より東京女子医科大学 先端生命医科学研究所 (TWIns)にて心臓再生医療に関する研究を開始し、2012年以降は心臓線維芽細胞の研究に注力
- 2014年4月より慶應義塾大学先端生命科学研究所・再生医療チームのチームリーダーとして、線維芽細胞による臓器再生の研究に携わる一方、2014年1月よりメトセラの事業化をプロジェクト化
- メトセラでは共同代表として、基礎開発から臨床応用を含む研究開発計画の立案・遂行を統括
代表取締役 Co-Founder, Co-CEO 野上健一
- 2008年3月 筑波大学第三学群国際総合学類卒業。2015年8月 UCLA Anderson School of Management (MBA) 入学(2017 年6月中退)
- 2008年より三井住友銀行の投資銀行本部、2010年よりモルガン・スタンレー証券の投資銀行本部にて、6年半に渡って企業買収や企業の資金調達などに従事
- 2014年よりザ・リアルリアル(株)の経営企画室長に就任し ベンチャー企業の経営全般に携わる一方、2014年1月よりメトセラの事業化に参画
- メトセラでは共同代表として、開発戦略の立案、ビジネスモデルの構築、ファイナンスなど、研究開発を除く領域の事業遂行を統括
(同社Webサイト、同社Wantedlyおよび同社PR TIMES掲載情報を基に当社編集)