量子力学を駆使した革新的DNAシークエンサーを世界に先駆けて開発する大阪大学発グローバルベンチャー企業
クオンタムバイオシステムズ株式会社
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会社概要・事業内容
会社概要
高精度で、かつ、読み取りコストを大幅に削減できる革新的な1分子DNAシーケンサーの開発に取り組むスタートアップ企業で、2013年1月に、大阪大学の1分子DNA/RNAシーケンシングの基礎研究成果をベースに設立された大学発ベンチャー。
量子力学を基盤とした革新的なシークエンサー開発を世界に先駆けて開発している。
量子力学に基づくシークエンサー技術は、一般的に実用化が困難と考えられてきたが、当社は、先進的な技術開発により、これを現実のものへと変えようとしている。
当社は、革新的なシークエンサーの開発を通して、膨大な遺伝子情報の解析を可能にし、ライフサイエンスの未来の開拓することを使命としている。この技術と情報は、生物学の研究方法を刷新し、健康と病気に対する知識を向上させ、食物、燃料及びヘルスケアに関するグローバル問題を解決する手段を提供する。
事業内容
- 1分子解析技術に基づく革新的DNAシークエンサーの開発
量子力学を基盤とした革新的なシークエンサー開発を世界に先駆けて開発している。
独自のQuantum Sequencing™技術は、最先端の半導体微細加工技術と高感度電流測定システムを活用し、1分子DNAシークエンシングと呼ばれる、ライフサイエンスの革新的プラットフォームを提供。このプラットフォームは、従来の複雑なサンプル調製、検出、または分析を必要とせず、ラベルフリー、低コスト、高速処理によるリアルタイム分析を可能にする。
テクノロジー
- 当社は、世界で初めて、DNAおよびRNAを電気的に直接検出し、塩基配列を同定できることを実証した。また、独自技術により、DNAおよびRNAの一本鎖が通過するナノスケールのギャップ電極を作製している。当社独自のシークエンサープラットフォームはすべて電圧で制御され、電極通過時のDNAの通過速度の制御、精度の高い読取データの取得と、正確な塩基配列決定が可能となる。
- 当社のチップデバイスは、サンプル調製から塩基配列決定までをチップ上で完結することを可能にする。現在開発中のチップデバイスでは、マイクロヒーターにより二重鎖DNAが一重鎖DNAに分離され、竹林のような微細な起毛(ナノピラー)をくぐることで、DNAが真っ直ぐに伸びた状態でナノギャップ電極に誘導され、塩基配列決定される。
- 既存のシークエンサーが、大量の分子を計測対象としているのに対し、当社のシークエンサーは、1分子を測定する。このため、各分子が電極を通過する際の動きを正確に制御する必要がある。当社は、電圧制御により、1分子の動きをコントロールしている。
経営者プロフィール
代表取締役社長/最高経営責任者 (CEO) 本蔵俊彦 (共同創業者)
東京大学大学院情報理工学研究科特任助手としてヒトゲノム解析等の研究に従事。その後、国内証券会社にてエクイティアナリスト、マッキンゼー&カンパニー マネージャ、産業革新機構ディレクターを務め、経営支援、 投資事業分野において10年以上のビジネス経験を持つ。
東京大学理学系大学院化学専攻修士、米国コロンビア大学にてMBA取得。
(同社Webサイトを基に当社編集)