世界の食糧問題を昆虫科学で解決。「コオロギパウダー」の開発など、昆虫食の普及を目指す徳島大学発ベンチャー
株式会社グリラス
画像取得先: https://gryllus.jp/
会社概要・事業内容
会社概要
これまでの発生生物学の経験をもとに「コオロギ飼育管理・育種」の専門会社として2019年5月に創立した徳島大学発ベンチャー。
世界的な課題である食糧問題をはじめ、持続可能な社会を創造するためにテクノロジーで世界を変える挑戦をしている。これまで培ってきた昆虫のゲノム編集など、世界最先端のバイオサイエンス技術をベースとして品質と付加価値の高い技術サービスを提供。
近年、国際連合食糧農業機関(FAO)が世界的な人口増加に伴う食糧危機対策として「昆虫食」を推奨、食糧問題の希望として注目されている。
当社は昆虫食の普及を目指し、「コオロギパウダー」などを開発・販売。また、食用コオロギの飼育管理に関する提案や、加工食品の開発・販売も行っている。
コオロギは高タンパク、低カロリーで、ビタミンやミネラル、食物繊維も豊富に含まれる。また、食材として生産するのに、家畜に比べて少量の餌や水で飼育でき、温室効果ガスの排出量も少ない。そのうえほぼ丸ごと食べられるのでロス減となり、環境に優しい持続可能な食糧と言える。
当社の社名であるグリラスとは、フタホシコオロギの学術名「Gryllus bimaculatus」からの引用。世界的にも研究者が少ない分野であり、長年の経験とノウハウによって最新の技術と設備を使用することで、安心安全な製品・サービスを提供する。
<コオロギビジネスの展開例>
- 食品業界
グリラスパウダーを使った高タンパク質配合商品など、付加価値のある商品化が可能。また、食品ロスをコオロギ用のエサとして循環することが可能。 - 製菓業界
グリラスパウダーを使ったお菓子はもちろん、機能性食品の開発が可能。クッキーやケースなど、あらゆる製菓に配合することができる。 - 電力業界
熱エネルギーを活用してコオロギを飼育することが可能。廃熱によるエネルギーロスを食用タンパク源に転換することが可能である。 - 製薬業界
コオロギをゲノム編集することで、医薬品工場として有効成分を増やすなどの研究が可能。未来の創薬の手段の一つとして期待されている。
採択・受賞歴
- 2019年10月 徳島ニュービジネス支援賞2019・大賞を受賞
- 2019年9月 徳島大学発ベンチャー認定
提供サービス
食用コオロギパウダー
完全室内飼育製造をした安心・安全な食用コオロギパウダー。栄養バランスの取とれたオリジナルのエサで飼育し、飼育温度も徹底管理。また、最適な時期に安定した収穫ができるよう厳密にコントロールされている。規定値をクリアした高品質の証である「グリラスマーク」が付与されている。
飼育管理サービス
20年間、研究してきた独自の飼育ノウハウを生かし、最適化された環境の提案、IoTを活用した最先端のデジタル技術を取り入れた管理方法を提案。
循環エコシステムの提案
工場から廃棄される残渣や廃熱を利用してコオロギ飼育を行う循環エコシステム。理想のスキームによって持続可能な事業を提案。
加工食品開発・販売
グリラスパウダーを配合した安心・安全な加工食品を開発、販売。製造はすべて国内で行い、トレーサビリティを徹底し、お客様へお届け。見た目に抵抗がある人でも、美味しく食べられる商品コンセプトで日々研究している。
LABORATORY(飼育・実験施設)
バイオテクノロジー「ゲノム編集技術」
ゲノム編集技術で機能性を持ったオリジナルのコオロギ育種や系統の確立を行うことが可能。
効率的な独自の生産システム「グリラスファーム」
当社で確立した効率的な生産システムを提供し、施設の設計や機材の選定だけではなく、運営方法や消耗品の選定など様々な面からもアドバイスが可能。
経営者プロフィール
代表取締役社長兼COO 岡部慎司
質量分析を活用した網羅的タンパク質解析が専門。ダイレクトマーケティングによるネット通販も手掛け、コオロギの加工方法の研究を行う。
取締役会長兼CEO 渡邉崇人
昆虫の発生·再生メカニズムが専門。コオロギの大規模生産、循環エコシステムの開発を行う。徳島大学大学院社会産業理工学研究部・助教
取締役兼CTO 三戸太郎
昆虫の発生·再生と進化のメカニズムが専門。コオロギの機能性の研究を行う。徳島大学大学院社会産業理工学研究部・准教授
(同社Webサイトを基に当社編集)