血液で軽度認知障害を早期発見する「MCIスクリーニング検査」の開発・提供。筑波大学発バイオベンチャー
株式会社 MCBI
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会社概要・事業内容
会社概要
血液で軽度認知障害(MCI)を早期発見する「MCIスクリーニング検査」の開発・提供を行う、2003年設立の筑波大学発バイオベンチャー。
画期的な血液バイオマーカーを用いた予防医療・先制医療支援とその促進を行い、21世紀の「未病・予防」医療を支える事業を行う。
大きな社会問題となりつつある認知症について早期発見・予防に取り組んでおり、軽度認知障害(MCI)のリスクを血液検査という簡単な方法で早期に発見する「MCIスクリーニング検査」を開発。全国約1,800の提携医療機関を通じて提供している。
軽度認知障害(MCI)
健常者と認知症の中間の段階を指す。日常生活に支障はないが、そのまま過ごすと約5年でその半数以上が認知症に進行すると言われている。認知症予備軍とも言われているMCIだが、最近の研究ではMCIの段階で適切な予防や治療を行えば、認知症の発症を防ぐことや遅らせることができると分かっている。
認知症の中でも最も多いアルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)は、発症する約20年前から主な原因物質であるアミロイドベータペプチドが脳内に溜まり始め、認知機能が少しずつ低下していく。
事業内容
- 認知症等の精神疾患の早期発見・予防に関する事業
開発商品
生体内でつくられたタンパク質とペプチドの状態を、疾患の患者と健常者の間で比較解析することにより、疾患に関連する分子バイオマーカー(疾患バイオマーカー)を見出す。
当社はバイオテクノロジーとITを融合させた新しい技術でバイオマーカーの研究開発を実施している。
疾患の早期発見のための検査
当社が見出したバイオマーカーを用いた画期的な検査によって、病気の早期発見を支援。また、臨床情報処理による健康支援を通して一人一人が自らの健康を管理していくためのサービスを提供。疾患バイオマーカーをはじめとした病態に関わる体内の情報についてのデータベースの構築、診断・創薬に有用な情報とこれらのデータを解析する技術を提供する。
- 認知症の早期発見
軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)は、アルツハイマー病などの認知症になる前駆段階である。認知症の予防のためにはMCIの段階で発見し、治療をすることが大切。当社は、新規のバイオマーカーを用いた血液検査によって、認知症の予防を支援する。
「MCIスクリーニング検査」
アルツハイマー病はアミロイドベータペプチドという老廃物が脳に蓄積し、神経細胞を破壊することで発症する。「MCIスクリーニング検査」は、アルツハイマー病の前段階であるMCIのリスクをはかる血液検査。アミロイドベータペプチドの排除や毒性を弱める機能を持つ血液中の3つのタンパク質を調べることで、MCIのリスクを判定する。
- 肝疾患の早期発見
NAFLDは肝炎ウイルス感染や飲酒の経歴がなくても、脂肪肝を背景として発症する非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の前駆段階である。当社の新規バイオマーカー(P35)を用いた肝炎検査によって、NAFLDの早期診断とNASHの予防を支援する。
※NAFLDの血液検査は2020年に事業化予定
沿革
- 2003年1月 株式会社MCBインフォマティクス設立、資本金1,000万円
- 2003年5月 筑波大学、(独)産業技術総合研究所、(株)島津製作所、三井情報開発(株)、(株)山武、NTTコムウェア(株)と産学官共同研究として疾患バイオマーカーの探索研究開始
- 2004年1月 三重大学医学部と共同研究契約
- 2004年6月 株式会社MCBインフォマティクスを株式会社MCBIと社名変更
- 2006年10月 第2回つくばベンチャー大賞特別賞受賞
- 2009年10月 筑波大学産学リエゾン共同研究センターに事務所移転及び研究所新設
- 2014年5月 認知症早期発見のための支援事業を開始
- 2014年5月 東京都港区に東京事務所を設置
- 2015年5月 MCIスクリーニング検査の事業化開始
- 2015年7月 Alzheimer’s & Dementia(amst)に研究成果を発表
- 2017年4月 りそな中小企業振興財団主催「中小企業優秀新技術・新製品賞」優秀賞受賞
- 2017年5月 めぶきファイナンシャルグループ主催「第1回めぶきビジネスアワード」最優秀賞受賞
- 2017年7月 ㈱島津製作所・太陽生命㈱と資本提携・事業提携
経営者プロフィール
代表取締役 内田和彦
(同社Webサイトを基に当社編集)