次世代の革新的な創薬探索プラットフォーム「PDPS」を有する、特殊ペプチドを用いた創薬企業の世界的リーダー
ペプチドリーム株式会社
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会社概要・事業内容
会社概要
「日本発、世界初の新薬を創出し社会に貢献したい」という現会長 窪田規一氏と菅裕明東京大学大学院教授の共通の夢から、2006年7月に設立されたバイオ医薬品企業。
独自の創薬探索システムPDPS(Peptide Discovery Platform System)を用い、極めて広範囲にわたる特殊ペプチドを多数(数兆種類)合成し高速で評価を可能にすることで、創薬において重要なヒット化合物の創生、リード化合物の選択、もしくはファーマコフォアの理解を極めて簡便にしかも効率的に行えるようにした。これにより当社は特殊ペプチドを用いた創薬企業の世界的なリーダーとして世界中の病気で苦しんでいる人々に画期的新薬を提供することを使命として、研究開発に取り組んでいる。
平成25年6月に株式会社東京証券取引所マザーズ市場に上場。
事業内容
当社が有する独自の創薬開発プラットフォームシステム:PDPS (Peptide Discovery Platform System) は次世代の革新的な創薬探索プラットフォーム。
創薬において重要なヒット化合物の創製やリード化合物の選択等が簡便に行えるだけでなく、開発可能な特殊ペプチドへの最適化、ファーマコフォアを使った低分子創薬への展開及びペプチド薬物複合体への展開が可能。
ペプチドリームはPDPSを駆使し自社プロジェクトだけではなく、世界中の戦略的パートナーと緊密な連携を取り、疾患領域や薬物の投与経路等を問わずに、それぞれのターゲットに対するヒット化合物の探索等を行っている。
特殊ペプチド治療薬
様々な治療用途に適用可能。特に、歴史的に低分子化合物では見出す(阻害する)のが困難だったタンパク質-タンパク質相互作用を阻害する治療薬や、特定の生体内情報伝達経路を活性化するアゴニスト(活性化治療薬)を見出すことが可能。
特殊ペプチド治療薬は細胞外ターゲットに対して有効なアプローチであり、極めて高い薬理活性及び選択性を達成するだけでなく、比較的高い安全性及び忍容性を付与でき、多くの異なる投与経路を選択することが可能である。(現在、細胞内ターゲットに関しても有用であることを示す実験結果を蓄積しつつある。)
さらに特殊ペプチド治療薬は、現在使用されている抗体医薬品を中心とする生物学的治療薬に対して、薬品の品質管理や製造コストの面で極めて高い優位性を持つ。高品質で安価な治療薬を供給するうえで、この2つの優位性は極めて重要であると考えている。
低分子治療薬
一般的に経口摂取する錠剤状(カプセル状)の治療薬の大半をカバー。低分子治療薬はその名のとおり、分子量が小さいため経口吸収性があり、通常、容易に臓器及び細胞内に拡散する。そのため細胞内ターゲットに対して有用なアプローチとなる。しかし、最近では次世代の治療薬を指向した生物学的ターゲットに対しての新規低分子化合物(治療薬)の同定とその開発がますます困難になってきている。
当社のPDPSと最先端の創薬技術を駆使することにより、ヒットペプチドから得られる情報をもとに低分子化合物をデザインすることが近年可能になっている。こうしたドラッグデザイン技術により、低分子化合物が有する経口吸収性等の優れた能力と、もとの特殊ペプチドが有する薬理活性等の優れた能力の両方を併せ持つ低分子化合物を創製することが可能。
このような“創薬のパラダイムシフト”は、これまで低分子治療薬の開発現場において広く使われてきたHTS (ハイスループットスクリーニング)では発見が困難だったヒット化合物をPDPSであれば比較的容易に見出せることに起因している。
ペプチド薬物複合体(PDCs)
その名が示すとおり、特定の細胞・組織に対して結合能力及び選択性の高い「特殊ペプチド」と、特定の細胞・組織に届けたい「薬物」を化学的に結合させた複合体をいう。この特殊ペプチドがキャリア(“運び屋“)となって“薬物を届けたい細胞・組織に選択的に届ける“というアプローチは、治療薬開発の重要な未来の形となる。このアプローチにより、健康な細胞・組織への影響や副作用を最小限に抑えたうえで、治療が必要な細胞・組織に選択的に薬物を届けることが可能となり、薬物の治療効果を最大化できる。
当社の特殊ペプチドは、このアプローチには最適の物質であり、他のアプローチ(主に抗体医薬品を用いたADCs(Antibody Drug Conjugates: 抗体薬物複合体))と比べて圧倒的な優位性がある。その一つとして、“運び屋“となる特殊ペプチドに結合できる薬物の種類に基本的に制限が無く、細胞毒性を有する化合物(天然物等)、細胞・組織への選択性を求められている低分子化合物、薬物を内包しているナノ粒子、核酸医薬品(siRNA薬を含む)及びその他の免疫調整・免疫賦活化合物などが可能となる。
技術情報
「唯一無二の創薬探索プラットフォーム」
当社独自の創薬開発プラットフォームシステム:PDPS(Peptide Discovery Platform System)は次世代の革新的な創薬探索プラットフォームであり、3つの鍵となる技術の上に成り立っている。
- フレキシザイム及びPDTS(ペプチドディスカバリー翻訳システム)
当社の創業者の一人である東京大学の菅教授が長年の研究の成果として完成させた人工RNA触媒であるフレキシザイムは、ほぼ全てのtRNA上に天然アミノ酸及び特殊アミノ酸を高効率で結合させることが可能。一方、PDTS(ペプチドディスカバリー翻訳システム)は無細胞下で転写・翻訳を行うもので、リボソームを介してペプチドの合成を行うシステム。PDTS単独では、20種類の天然アミノ酸のみで構成されるペプチドを合成することしかできないが、フレキシザイム技術とPDTSを組み合わせることで400種類を超える特殊アミノ酸を使用できるようになり、ほぼ無限大に近い種類のペプチドを合成することが可能になる。これにより当社は、ほぼ無限大の多様性を有するペプチドライブラリーを無細胞翻訳系で合成することができ(小さなチューブの中で数兆種類の特殊ペプチドを一つのライブラリーとして用意することが可能。)、他のヒット化合物探索システムの追従を許さない優位性を有している。 - ペプチドの環状化技術及び修飾技術
PDPSのもう一つの重要な構成技術として、多様な鎖状ペプチドを環状化し特殊ペプチドに変換する技術がある。特殊環状ペプチドは、一般的な鎖状ペプチドと比べて、いくつもの利点があることが分かっている。特殊環状ペプチドは、その名のとおり、特殊ペプチドが環状化され、構造がより剛直になり、ターゲットタンパク質に対する高い親和力と選択性を獲得するだけでなく、生体内でもより安定に存在できることが分かっている。PDPSは、上記のような特殊ペプチドを環状化する技術だけでなく、種々の特殊ペプチドの修飾技術を含んでおり、ヒットペプチド探索の作業時間を大幅に短縮できる。これらを総合して、PDPSは他のどの技術よりも迅速にヒットペプチドの同定を行うことができ、しかもこれまでとは比較にならないほど早くヒットペプチドの最適化を行うことができる。 - PDディスプレイ
上記の1及び2の技術により、極めて多様なペプチドライブラリーを迅速に調製することが可能になったが、次にそれらを高速で評価できるシステムが必須となる。当社が開発したPDディスプレイは、概念的には旧来のディスプレイ系の技術と類似しているが、大幅な単純化と高速化を実現。PDディスプレイにより当社は、他のどのディスプレイ技術と比較しても短時間でヒットペプチドの同定を行うことができ、しかも極めて高い再現性を有し、かつ、実験者間のデータのばらつきも実質的に無いシステムを確立している。当社は、PDディスプレイのさらなる改良・改善を日々続けている。
経営者プロフィール
代表取締役会長 窪田規一
代表取締役社長 リード・パトリック
(同社Webサイトおよび同社Wantedly掲載情報を基に当社編集)