感情認識AI「エモリーダー」。心理カウンセラーなど専門家の支援だけでなく人材サービス、マーケティングにも活用
株式会社エモスタ

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会社概要・事業内容
会社概要
ひとの表情から93%以上の精度で感情を認識し、複数人認識時には共感度を計測する感情認識AI「エモリーダー」の開発・提供を行う2017年設立のスタートアップ。
2017年創業、臨床心理士でもあるアレクサンダー・クリーグ氏が自身のカウンセリングの質をあげることを目指して「エモリーダー」を開発。義兄で現CEOの小川修平がプロジェクトに加わりプロダクト化。複数人同時計測と共感度計測をすることでコミュニケーションにおける深いインサイトに迫ることを可能とした。同ソフトウェアの開発のほか、感情データの統計解析を用いたコンサルティング、感情データを活用したサービス、心理学コンテンツの開発を通じて、人々が自分の価値観に沿った人生を歩む支援を行う。
2018年4月には、人材サービス、婚活サービス向けにひとの価値観を定量的に評価するシステム「価値観ファインダー」を開発。
「価値観ファインダー」は、心理学の専門性と感情計測技術の知見を組み合わせ、価値観を定量的に評価し誰でも活かせる情報として活用できるシステム。
ユーザーに価値観を表す言葉の重要度を評価させると同時にそれを選んだ際の挙動や表情の変化を記録することで、ユーザーの価値観の言語化を促し、かつ客観的・定量的にその重み付けを評価する。独自のアルゴリズムで重みづけされた価値観評価は、普段ユーザーが意識しない自分自身の理解・発見につながり、納得感の高い選択や行動ができる可能性を高める。
さらに「価値観ファインダー」のデータと既存のデータベースを組み合わせることにより、価値観の計測を入り口として、価値観が合う人や会社、コンテンツのリコメンドが可能となる可能性がある。
ニーズがすでに存在する人材サービスや婚活サービスでの活用のほか、メンタルヘルス改善、マーケティングリサーチなどにおいても有用性が認められ、幅広い分野での活用が期待される。
2019年2月には、マーケティング支援事業を行う株式会社ネオマーケティングと業務提携。ユーザビリティ調査で感情認識AI「エモリーダー」が活用される。
同年4月には、アニメ制作会社株式会社アスラフィルムと業務提携。アニメ×心理学でインターアクティブなコンテンツについての共同研究を開始した。
提供サービス
「エモリーダー」
人間の表情を読み取り、Ekmanが提唱した7つの基礎感情(+無表情)がどの程度あらわれているかをパーセンテージグラフで表示するソフトウェア。性別や人種などの配分も考慮したうえで、公開データや使用ライセンスを取得した約3,000人の70,000超もの表情データを深層学習データとして使用しており、非常に細かい一瞬の表情の変化もとらえることが可能だ。2017年7月現在、感情認識の精度はすでに93%で、今後データベースを拡充することで更に改善される。動画ファイル、ウェブカメラ、スカイプ、360度カメラなどで、最大10名までの感情を同時に解析可能。
これを、実装済みの機能である、会話などの音声データ再生、複数人との感情の比較(360度カメラモード)、共感度を測定するグラフと比較することで、感情に関する深いインサイトを得ることができる。これまで「経験」と「勘」の世界にとどまっていた感情情報が定量化されることで、心理カウンセラーやコーチ、広告、クリエイティブといった分野の専門家がより質のよい、精度の高いサービスの提供を支援する。
「心理学的効果計測サービス」
新サービスのメンタルヘルスへの効果を証明して付加価値を訴求したり、動画やコンテンツの心理的影響、研修効果の科学的計測などに活用。
臨床心理学博士が効果測定を設計。、また独自開発した表情からの感情認識AIも活用。その他、音声・テキスト・SNS解析などパートナー企業と最適なソリューションを提供。
「価値観カード™」
心理学の理論に基づく、価値観を言語化し行動変容を促すためのツール。
使用場面:研修、面接、インサイト調査、社風の解析
開発の背景
エモスタは、当社CTO・アレクサンダー・クリーグ氏のリサーチプログラムだったものが、いくつかの出会いをきっかけに発展し生まれた。
ハワイ大学大学院にて心理学専攻で修士を収め、博士課程の授業を受け終えたあと、 2015年にフルブライト留学生として東京に拠点を移し、東京大学にて臨床心理学を修めた。
ハワイ時代、東京大学時代を通じて続けていたのがカウンセリング。それぞれ実際のクリニックで業務に従事していたが、徐々にその現場に課題を感じ始めた。まず、人間の肉体の限界。カウンセリングは一回のセッションが約50分間。カウンセラーはその間全神経を使って、言葉、声のトーン、表情、身振りなどあらゆる情報からクライアントの状態を類推し、適切な方向に導くが、人間なので50分間ずっと集中力は持たず、小さいサインを見逃すこともある。一日の最後には疲れているので、最後のほうのクライアントは特にその影響がある。また、カウンセリングの現場ではいまだに紙に手書きでコメントを書いて同僚や上司に情報共有したり次回の対策を練ったりしている。しかし、コメントを書くのはカウンセリングのあとなので、大事な情報を忘れてしまったり、同僚や上司の目を気にしていいことしか書かなかったりする。このように、人間の経験や直観に頼るが故の集中力の限界や、客観的な情報がないことによってカウンセリングのクオリティや精度がずいぶん低いように感じられた。
その時解決策として結びついたのが、様々なリサーチプロジェクトに参画し、リサーチに必要なプログラミングスキルを習得するなかで出会った、深層学習技術だ。近年の深層学習技術に出会い、近年の目覚ましい発展に魅了されていた。これを使えば、人間の集中力に頼らずに顔の表情から感情を読み取ることができ、客観的な判断材料として使用し情報共有を効率化できるのではないか?という仮説が頭をもたげ、その着想を得てから、深層学習に必要な多くの動画や画像データを収集し2016年11月にエモリーダーの原型をつくった。
特にそれを世に出すつもりはなかったが、原型をつくった翌月たまたま共同創業者になる代表の小川氏にそのプログラムについて話したことで方向性が変わった。小川氏は投資銀行に勤めたあと、起業を経験しているのだが、いいものは独り占めするのではなく世に出すべきと説得されプロダクト化に向けて動き出した。単なるソフトウェアメーカーにはなりたくなかったため、一緒に社会課題を解決するパートナーを探し、幸運にもそのようなパートナーに恵まれ、プロダクト化の目途がたったので、2017年4月に法人化した。6月には最初のワークショップを開催し、8月には最初のプロダクトであるエモリーダーを世に送り出した。
経営者プロフィール
CTO/Founder Alexander Krieg(アレクサンダー・クリーグ)
・米/ミシガン州出身
・米/ハワイ大学・臨床心理学博士課程(2018卒予定)
・フルブライト奨学金及び、皇太子明仁親王奨学金を活用した東京大学、一橋大学との共同リサーチプロジェクトに従事
・国際学術誌に12論文掲載実績
代表取締役社長 小川修平
(同社Webサイトおよび同社PR TIMES掲載情報を基に当社編集)