様々な分野での実績を有する日本有数のAIベンチャー。機械学習/深層学習AI開発プラットフォーム「ReNom」を開発
株式会社グリッド
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会社概要・事業内容
会社概要
「インフ・ライフ・イノベーション」を企業理念として、人工知能を社会インフラや人々の生活に役立てようと、機械学習/深層学習AI開発プラットフォーム「ReNom」を開発・提供するベンチャー。
当社が開発した「ReNom」は、様々な社会の課題や、顧客の課題を解決することが可能となる、AIを開発するための汎用的なソフトウェア。「ReNom」をベースとしたグリッドのAIソリューションでは、すでに社会インフラ分野をはじめ、様々な分野で実績を積み上げており、日本でも有数のAIベンチャー企業である。
機械学習、深層学習、深層強化学習、TDAなどの多様なアルゴリズムを組み合わせ、社会インフラの様々な課題解決事業を展開する。
事業内容
- 都市インフラソリューションのシステム開発・製造・販売
- 太陽光発電システムの開発・製造・販売
- 自然エネルギーを利用した発電所の開発・発電事業
- 各種未来予測システムの開発・販売
- 天候予測システムの開発・販売
提供サービス
「ReNom」*¹
深層学習、深層強化学習、TDA*²など、AI開発に必要なアルゴリズムをライブラリとして備えており、各ライブラリを組み合わせることで、比較的容易に自社のビジネスに適したAIを開発することが可能なプラットフォーム。また、ReNom.jpでは、AI開発を行うのに必要な基本スキルを、チュートリアルや、様々なユースケースや、AI開発を行うための各種アプリケーションも公開しており、幅広い産業分野で活用されている。
*¹ReNomは、株式会社グリッドの登録商標
*²Topological data analysis(TDA)
位相幾何学(Topology)を用いた新しいデータ分析の手法で、位相空間でデータの形状を可視化し、データが持つ意味を抽出することが可能。位相空間でデータの構造や密度を考え可視化することにより、従来の方法では、データを低次元化する際に失われていた特徴を失う事なく、データの特徴を維持したまま低次元で可視化できるアルゴリズム。
ビックデータ解析サービス
当社の技術力は国や大企業などからも認められており、さまざまな分野において「生活インフラ」の課題解決に利用されている。具体的には、道路の渋滞予測や大規模工場における故障検知・最適化など、多量のデータを活用したソリューションを提供し、インフラ業界における現場の悩み解決に取り組んでいる。
プロジェクト
◆電力/人工知能で電力ネットワークを最適化
- 火力発電所運転最適化
火力発電所におけるさまざまな機器の運転データにAIを活用し分析することで、発電所の制御を最適化。機器の稼働効率を上げることで、高度に運転を制御することが可能。過去の環境データと機器の運転データを分析し、変動する環境に応じて運転を最適化することで、燃料の燃焼効率を上げ、運転コストの削減が期待できる。 - バーチャルパワープラント
化石燃料から再生可能エネルギーへと電力供給源が移行過程にあり、電力の自由化、そして電力分散化が進む中、バーチャルパワープラントは非常に注目されている。バーチャルパワープラントとは、多数の小規模な発電所や、電力の需要抑制システムを一つの発電所のようにまとめて制御を行うこと。当社では、一つ一つは小規模な発電施設や制御システムを、AIを使って電力の需給バランスを最適化することで、電力網の安定化や負荷平準化、省エネに貢献する。 - 消費電力量予測
オフィスや家電の稼働状況より、過去の実績から将来の電力が、どのように消費されるのかを予測することで、電力ネットワークの最適化が可能になる。気象条件や季節変動などの環境要因から、消費電力量を予測し電力ネットワークの上流から下流に至るさまざまなデータをうまく組み合わせることで需給バランスをコントロールすることが可能。AIの普及により、エネルギー利用の効率化を目指すことで、大きな省エネ効果に繋がると考えられる。
◆金融/AIがもたらす金融サービスのデジタル革命
- 審査・査定業務の効率化
審査業務の課題は、コスト削減、自動化、リードタイムの短縮化にある。例えば、現在数日かかる住宅ローンや無担保融資の申込において、お客様のCXを最大化するためには、モバイル端末に数秒で審査結果を表示することが求められる。これらのKGI/KPIを実現するために、AI OCRによるFAX申込の自動振り分け、RPAを活用した基幹システムへの入力処理との自動連携、AI与信モデルによるスコアリングなどのAIソリューションを有機的に組み合わせることで、審査業務全体のコスト削減を実現することが可能となる。 - リテールマーケティングの収益向上
超低金利時代において、収益性を最大化する鍵は、リテールマーケティングにおけるデータ活用とリアルタイムレスポンスにある。これまでは、人が多大な労力をかけて顧客属性と行動を分析していたが、この業務にAIを導入することで、クロスセリング確率の高い顧客や解約リスクの高い顧客をリアルタイムにフォローすることが可能に。また、既存のマーケティングオートメーションツールにAIを組み込むことで、ルールベースのスコアリングロジックの調整やメンテナンス業務を効率化・高度化することができる。 - 未知の不正検知(金融犯罪対応)
システムの複雑化や手口の巧妙化により、金融犯罪(サイバー攻撃、不正口座利用、不正送金、マネーロンダリング など)への対応は益々、困難さを増している。また、新たな不正取引パターンに 遭遇した場合、過去蓄積した知見やシステムがほとんど機能しないリスクもある。そのような未知の不正に対して、ReNom TDAを活用することで、複雑な不正取引パターンの全体像を可視化し、異常な振る舞いをする取引を特定することが可能となる。未知の不正検知ソリューションを既知の仕組みに組み込むことで、新たな脅威に備えることができる。
◆製造/製造現場での課題解決に貢献
- 異常・故障検知
装置に取り付けたセンサーで、安定状態から不調、故障に至るデータを取得し、機械学習によりそのパターンの遷移を検知。学習済みモデルでリアルタイムデータを監視し、事象発生前にアラート表示やフィードバック制御を行い、不測の事態を未然に防ぐ。 - 寿命予測
加工工具や消耗部品は、過去の実測値や理論値から、サイクル数などの基本的な計測値で交換タイミングが決められているケースがほとんど。機械学習/人工知能を用いて、その工具や部品の寿命と使用状態のデータとの時系列的な相関関係状態をリアルタイムに監視し、最適な使用期間での交換が可能に。 - 品質安定化
鋳造や射出成型、溶接などリアルタイムに品質を監視することが困難な工程では、後工程で検査が行われるため、製造上のどのパラメーターが品質に影響しているのか把握することが困難。さまざまな製造パラメーターと検査結果の関係性を分析することで、その相関関係や品質悪化の予兆を見つけ出し、この情報を製造工程にフィードバックすることで品質改善に繋がる。 - 運転最適化
AIによる異常検知や寿命予測といった予防保全、品質管理への応用により、製造ライン全体の最適化が可能に。さらに、設計・試作段階でも、過去の膨大な記録からのナレッジ獲得や、最適なパラメーターの探索によるシミュレーションの短縮など、幅広く支援することができる。部分最適から全体最適まで、AIは生産ラインのさまざまな課題解決に貢献する。
◆プラント/AI活用によるプラントの安定稼働と運営安定化
- 発電所(異常検知)
機器の運転データと検査結果の相関性を分析することで、部品の故障や摩耗などを予測。計画的なメンテナンスの実現や、高度な状態監視が可能になる。異常や不安定稼働の予兆を発見し、不慮の運転停止などを未然に防止することで、安定した運転を実現。発電所で使われているさまざまな機器にAIを活用することで、高度な発電所の稼働を実現し、より安全な発電所運営へと繋げることが可能。 - 状態推定
プラントや高炉、電炉などの内部にセンサーを設置して、外部の周辺温度や圧力などの測定データの品質や歩留といった結果データを蓄積。これらのデータ解析に機械学習を活用することにより、外部の周辺データから内部状態の推定や、変化を予測し、プロセスの安定稼働や高度オペレーション、歩留改善に繋げることが可能となる。また、内部の状態変化を予測するために、現場の作業員へその予測情報を配信することで、オペレーターの操業支援が実現する。 - 最適組成値探索
プラントや火力発電所において、機械学習技術を活用することにより、変化する外部状況に応じたその瞬間に最適な組成値の組み合わせをリコメンド可能。材料や燃料の組成の組み合わせの最適化や、マテリアル製造をするための素材組成の組み合わせを探索することにより、研究開発の高度化や、効率的な運転の実現によるオペレーションコストの削減、燃料コスト削減などのメリットを享受することができ、プラント運転効率化を実現する。
◆インフラ/インフ・ライフ・イノベーション
- 交通
道路で計測される膨大な交通量計測データを、深層学習を用いることで、渋滞のパターンを抽出し、渋滞の発生を予測することが可能。予測される渋滞発生情報をもとに、速度規制や道路への車両流入量をコントロールすることで、渋滞を緩和・未然に防ぐことができ、渋滞による経済的損失を削減することが可能となる。 - 鉄道
車両の運転状況や各機器の動作状態などのデータ蓄積・分析することで、車両の状態を常時監視することが可能に。リアルタイムに走行中のデータを蓄積しDeep Learningを用いた高度な分析を実施することで、常時車両の状態を把握・監視することが可能となり、検査の精度を高め安全性をより確保することができる。 - 物流
サプライチェーンにおける原料調達、輸送、保管、生産、集配といった、全体最適解をAIを使って導き出す。上流から下流を一貫して、コストが最小となる選択肢や、生産量が最大化する選択肢など、状況や環境が刻々と変化する中での最適な選択肢をアルゴリズムによって導き出し、意思決定をサポート。 - 気象
再生可能エネルギーの発電予測だけにとどまらず、気象パラメーターは社会におけるさまざまな活動に影響を及ぼす。当社では、気象庁から配信されるメッシュの荒い時空間データを、数百mメッシュで30分単位に再計算することで、より詳細な気象データを取得することが可能。取得された気象データは、さまざまな分野において、気象データが起因する課題に対し、それらを説明するための変数として活用することが可能である。
経営者プロフィール
代表取締役 中村秀樹
(同社Webサイトおよび同社Wantedly掲載情報を基に当社編集)