コア技術「Autoware」で日本初、ドライバーのいない自動運転の公道実験を実施した東大発自動運転ベンチャー
株式会社ティアフォー
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会社概要・事業内容
会社概要
「創造と破壊」をミッションに掲げるディープテック企業。
世界初のオープンソースの自動運転OS「Autoware」の開発を主導し、様々な組織、個人が自動運転技術の発展に貢献できるエコシステムの構築を目指している。これを「自動運転技術の民主化」と位置づけ、世界中の人々が新しい時間と空間を享受できる社会を実現する。
具体的には、自動運転システムの開発、サブスクリプションモデルによる自動運転EVの提供、自動運転EVを用いた無人物流・旅客サービス等に関するビジネスを手掛けている。
東京大学大学院情報理工学系研究科の加藤真平准教授らが設立した自動運転ベンチャーである当社は、オープンソースの自動運転ソフトウエア「Autoware」をコア技術として、自動運転プラットフォームの世界的デファクトスタンダードを目指している。日本で初めて、運転席にドライバーのいない「レベル4」の自動運転の公道実験を実施したほか、Autowareをヤマハ発動機や米エヌビディアなど内外の100社以上が採用した実績が評価され、KDDIやソニーなどから30億円の出資を受けるなど、日本の自動運転分野では最も注目されるベンチャー企業となっている。
2019年2月には、自動運転インシュアテックの開発に向けて日本興亜株式会社、アイサンテクノロジー株式会社と業務提携。国内全域における計画的かつ安心・安全な自動運転サービス実証を支えるインシュアテックソリューション「Level IV Discovery」の共同開発を行う。
2019年7月には、損害保険ジャパン日本興亜株式会社、ヤマハ発動機株式会社、KDDI株式会社、株式会社ジャフコの運営する投資事業有限責任組合、アイサンテクノロジー株式会社を引受先とした第三者割当による資金調達を実施。これにより、シリーズAラウンドの累計資金調達額は113億円となった。
主な事業内容
- 自動運転プラットフォーム開発事業
- 自動運転ウェブサービス開発事業
- 自動運転システム開発キット販売事業
- 自動運転技術の教育事業
プロダクト
◆自動運転モビリティ
完全自動運転EV「Milee(マイリー)」
電動ゴルフカートをベースとした車体に3次元レーザースキャナ(LiDAR)と単眼カメラをセンサーとして搭載し、認知・判断・操作のすべてをオープンソースの完全自動運転ソフトウェア「Autoware」で自動化した車両。モバイル通信で「Web.Auto」の各種ウェブサービスに接続されており、サービス事業者が運行管理できる仕組みになっている。
ロジー
自動運転EV。物流業務用に設計。
◆自動運転開発キット
Tier PCデスクトップ
高性能のCPU/GPUと大容量のメモリを搭載した、ゲームデスクトップにプレインストールされたAutowareを搭載。ハードウェア性能に制限されることなく新しいアルゴリズムを開発するための研究室のシステムに適している。
ティアPCノート
高性能のCPU/GPUと大容量のメモリを搭載した、ゲームラップトップにプレインストールされたAutowareを搭載。電力とスペースの制約の下で高性能コンピューティングを必要とする実験的な自律走行車両のシステムに適している。
オートウェアロガー
自動運転のランタイムデータを自動的に記録するためのAutoware互換のロギングデバイス。Wi-Fi接続では、記録されたデータをクラウドデータサービスとシームレスに共有可能。
オートウェアリモートドライブキット
運転者のいらない車用のAutoware互換のリモコンとモニター。使いやすいWebブラウザインタフェースが利用可能。このリモートドライブキット(RDK)は、日本でのレベル4の自動運転操作について認定されている。
自動運転ユニット
低速自動運転車向け量産型「AIパイロット」
商用施設内や市街地郊外の短距離移動、また工場・倉庫内での物流搬送を支える低速自動運転車向けに、自動運転に必要となるセンサー(LiDAR、カメラ、IMU、GPS等)、コンピュータデバイス、各種ハードウェア及びソフトウェアをすべて一体化した量産型システムユニット。任意の車両を自律車両に変換。LiDAR、カメラ、組み込みコンピューティングの統合をサポートする。シングルおよびデュアルLiDARバージョンが利用可能。x86およびARMコンピューティングデバイスを収納できる。
提供サービス
「オートマン」
クラウド上のウェブサービスとして提供する自動運転AIの学習サービス。
文部科学省が推進する戦略的創造研究推進事業(CREST)の一環として、東京大学、名古屋大学、慶應義塾大学の共同研究チームが開発した成果を、ティアフォーが「オートマン」として提供し、その成果の実用化に貢献してきた。
<機能>
- 画像データや3次元点群データをアカウント保護されたクラウド環境にアップロードする
- 認識対象の物体クラスのラベルを付加する
- 「オートマン」が提供する深層学習アルゴリズムを選択する
- クラウド上で容易に自動運転AIのモデルを生成する
「オートマンツール」
自動運転AIの学習に必要となる画像データや3次元点群データのラベリングツール。
「オートマン」の機能のうち、「認識対象の物体クラスのラベルを付加する」機能をオープンソース化し、無償でダウンロードできるようにしたソフトウェアツールである。
「オートマンツール」を利用することで、利用者は「オートマン」が提供するラベリング機能を自身で改良できるようになり、様々なラベリング機能を短期間で開発できるようになる。「オートマンツール」の機能の一部はすでに、2018年度に実施された経財産業省主催のAIエッジコンテストをはじめとする国内の政府系事業のデータセット作成で利用実績がある。
T4アカウント
データセット、ラベリングツール、ディープラーニングトレーニングサービスなどの当社の自動化技術へのアクセスを可能にする。
フィールドテスト
現場でのテストや自動運転の実証に必要な複雑な任務をすべて引き受けることが可能。
システム統合
迅速な展開のために、車両、センサー、およびソフトウェアを準備。
経営者プロフィール
代表取締役社長 武田一哉
(同社Webサイトおよび同社PR TIMES掲載情報を基に当社編集)