グッドデザイン大賞等、数々のアワードを受賞。パーソナルモビリティ「WHILL」の開発・提供を行うベンチャー
WHILL株式会社
画像取得先: https://whill.jp/
会社概要・事業内容
会社概要
「すべての人の移動を楽しくスマートにする」をミッションとして、世界中の歩道領域において、新しい移動のスタイルを生み出すハードウェアスタートアップ。2012年5月に日本で創業し、2013年4月には米国、2018 年8月にはオランダに拠点を設立。パーソナルモビリティとMaaSの二つを事業の柱としている。
パーソナルモビリティ事業では、デザインとテクノロジーの力を生かした、車椅子の概念を超えるモビリティとして、WHILL Model A、WHILL Model Cをはじめとする製品群を、日本、北米、欧州で販売。
2014年に発売した初号機WHILL Model Aは日本・北米・欧州で販売しており、2015 年度のグッドデザイン大賞など数多くのアワードを受賞。2017年4月に発売した2号機となるWHILL Model Cは、世界的なデザイン賞であるRed Dot Design Award(ドイツ)のBest of the Best(最優秀賞)の受賞をはじめ、2017 年度のグッドデザイン賞、iF Design Award(ドイツ)など国内外のデザイン賞で入賞している。技術面も高く評価され、北米モデルであるWHILL Model CiはCES 2018でBest of Innovation Award を受賞した。
またMaaS事業においては、障害の有無や年齢に関わらず、だれもが楽しく安全に乗れる一人乗りのモビリティによる移動サービス・システムの提供により、既存の交通機関を降りてから目的地までの「ラストワンマイル」の移動の最適化を行う。
自動運転・IoT機能を搭載したモビリティであるWHILLを、空港や商業施設、公道などでシェアリング利用する「歩道領域のための新モビリティサービス」を提供し、ひきこもりがちだった高齢者の社会参加、労働の機会を拡大。
観光地やレジャー施設向けでの利用については、すでに、伊勢神宮、志摩スペイン村、神戸ファッション美術館などで実績があり、自動運転などの研究開発プラットフォームとしてのモデルWHILL Model CRも大学や研究機関向けに展開している。
WHILLの創業者は、元日産のデザイナー、ソニーの車載カメラのエンジニア、オリンパスの医療機器のエンジニアの3人。ある車いすユーザーの「100m先のコンビニにいくのもあきらめる」という言葉をきっかけに、パーソナルモビリティの開発を始めた。
事業内容
- パーソナルモビリティの生産・販売
プロダクト
WHILL Model A
誰もが乗りたくなるスタイリッシュなデザインに、洗練された使い心地と直感的な操作性を兼ね備えた、まったくあたらしいパーソナルモビリティ。荷物ホルダーに荷物をかけてシートに乗り込んだら、あとはスイッチを入れて行きたい方向にコントローラーを傾けるだけ。ハンドルを上げたりシートを前方にスライドさせたりすることで、乗り降りやテーブルへのアクセスもスムースに行うことができる。
- デザイン性:これまでにない 高い機能と美しいデザインを融合させた、誰もが乗りたくなるスタイリッシュなデザイン
- 走行性能:四輪駆動によって7.5cmの段差を乗り越えられ、砂利道、芝生などのでこぼこ道も走れる「走破性」と、全方位タイヤによる「回転性(小回り)」の両立
- ソフトウェア:Bluetoothを実装し、iPhoneアプリを通じた遠隔操作や速度の設定変更を実現
WHILL Model C
フラッグシップモデルWHILL Model Aのデザインや走行性能を継承しつつ、車載性や収納性を高める分解機能、取り外し可能な軽量バッテリー、カラーバリエーションの追加、3G回線搭載によるサービス提供などの新機能を搭載し、外出シーンでの利便性を高めた、普及価格帯で提供するWHILLパーソナルモビリティ。
研究開発用パーソナルモビリティWHILL Model CR
WHILL Model Cの仕様を基本とし、外部機器から入力信号を送信することで(通信方式:RS232C)、本体を制御することが可能。また、本体の情報(速度、加減速値、エンコーダー情報、加速度センサー値、コントローラー入力情報、バッテリー情報など)を取得することができ、自動走行、自動停止、衝突回避、移動支援、自律走行などの分野の研究・事業プラットフォームとして活用可能。
ソリューション
MaaS事業
「WHILL自動運転システム」
あらゆる人の社会参加の機会を増やすとともに、介助の負荷を軽減したいと考え、空港など施設内での利用を想定した新しいソリューション。
ハードウェアとしてのWHILL自動運転モデルと、複数の機体を管理・運用するシステムから構成される。空港、駅、商業施設などでのシェアリングを想定し、誰でも簡単・安全に走行できる機能を装備。さらに、車椅子の運搬や回収、管理など、これまで人の手で行っていた作業を自動化する。
自動運転で歩道領域を走行するため、独自に開発したステレオカメラを搭載。前・横方向監視のために、左右のアーム部分に1台ずつ搭載し、広い視野角度を実現。後方にもセンサーなどを搭載し、バック走行の際のぶつかりなどに備える。これらセンサー群を用いて、周囲の状況を検知、あらかじめ収集した地図情報を照合し、施設内を安全に自動走行する。乗り捨てたWHILLは自動で待機場所まで戻るなどの運用も可能。回収にかかるマンパワーの削減ができる。
また、通信回線を搭載しており、機体の位置情報を一元化して管理することも可能。どの場所にどの機体があるかを把握でき、運用の負荷を削減できる。
沿革
2012年5月 WHILL株式会社設立
2013年4月 米国カリフォルニア州に米国拠点を設立
2013~2014年 第三者割当増資により175万米ドル(約2億円)を調達
2014年9月 WHILL Model A発表
2014年9月 第三者割当増資により1100万米ドル(約12億円)を調達
2014年10月 オフィスを横浜市鶴見区に移転
2016年3月 第三者割当増資により1750万米ドル(約20億円)を調達
2017年4月 普及価格帯モデルWHILL Model C発表
2017年12月 研究開発モデルWHILL Model CRを発表
2018年1月 北米向けモデルWHILL Model Ciを発表
2018年6月 WHILL Model Cを欧州で販売開始
2018年8月 オランダ アムステルダムに欧州拠点を設立
2018年9月 約50億円の資金調達を実施
2019年1月 歩道領域のためのWHILL自動運転システムをCES 2019で発表
受賞歴
- 第5回日本ベンチャー大賞 審査委員会特別賞
- CES2019 Accessibility部門 Best of Innovation Award
- Red Dot Design Award 2018 Product Design 最優秀賞
- CES 2018 Accessible Tech部門 Best of Innovation Award
- グッドデザイン賞2017受賞
- アジアデザイン賞2016(Design for Asia Awards 2016)大賞(Grand Award)を受賞
- グッドデザイン賞2015 大賞
- Forbes Japan 日本の起業家ランキング 3位
- 日経優秀製品・サービス賞2014 最優秀賞
- 日本イノベーター大賞2014 優秀賞
- ベストチームオブザイヤー2014 優秀賞
経営者プロフィール
代表取締役 兼 最高経営責任者(CEO)/創業者 杉江理
1982年生まれ。静岡県浜松市出身。日産自動車開発本部を経て、一年間中国南京にて日本語教師に従事。その後2年間世界各地に滞在し新規プロダクト開発に携わる。元世界経済フォーラム(ダボス会議)GSC30歳以下日本代表。Silicon Valley Business Journal’s 2017が選ぶ40歳以下の経営者40人の一人選出。
代表取締役 兼 最高技術責任者(CTO) /創業者 福岡宗明
1983年生まれ。大阪府大阪市出身。 名古屋大学大学院工学研究科卒、 2008年オリンパス株式会社入社、医療機器の研究開発に従事。 2009年エンジニア団体Sunny Side Garage 設立。
取締役 兼 最高開発責任者(CDO) /創業者 内藤淳平
1983年生まれ。愛知県豊橋市出身。 名古屋大学大学院工学研究科卒、 2008年ソニー株式会社入社、エンジニアとして車載カメラの開発に従事。2009年エンジニア団体Sunny Side Garage 設立。
(同社Webサイト、同社Wantedlyおよび同社PR TIMES掲載情報を基に当社編集)