緩まない締結技術による「L/R ネジ」と、ネジ型の無人常時遠隔モニタリングシステム「SMART FASTENER」
株式会社 NejiLaw
画像取得先: http://www.nejilaw.com/
会社概要・事業内容
会社概要
L/Rネジを主力製品とする高機能型高度接合技術メーカー。
当社は、螺旋構造を持たないボルトフォルムに特殊構造の右ねじナットと左ねじナットを螺合させることで、史上初めて構造的に緩まないネジ「L/R neji」を開発。更に、構造的に緩まない「Zalocボルト」等を発明し、100 件を超える特許取得等を⾏っているベンチャー企業である。緩まないネジの事業化は、ねじの緩みに起因する事故を⼤幅に減らし、社会の安全・安⼼に貢献するだけでなく、定期点検などのメンテナンスコストを削減することが出来る。
いま⽇本が抱えている⼤きなメンテナンスコストの課題として、⼈⼝減少が進む中で社会インフラの維持管理をしていかなければならないという問題が挙げられる。例えば、全国に建設された73万もの橋梁は、2023年にはその43%に当る30万橋が橋齢50年を超える。 当社の「スマートファスナ」は、限界に達した⽬視点検によるメンテナンス問題を、遠隔管理により合理化させる画期的技術。「ネジが緩まないことをベースとできるなら、応⼒が集中する接合部においてネジ締結部材を⽤いて周辺の正確な応⼒状態を持続的に取得するこ とが可能となる。つまりこれは、ネジ締結体を強度部材としながらも、ネジそのものをセンサとして“情報収集ネットワークデバイス”に進化させることができる」これが当時の道脇氏のアイデアだった。
IoT 時代に先駆けて、今から20 年以上前に当社代表の道脇氏が L/R ネジの発明と同時に発案していた「スマートファスナ」を機軸として、当社は“ナショナルレジリエンス(国⼟強靭化政策)”を今まさに“スマートレジリエンス”に昇華させようとしている。
◆2018年10月発売G-SHOCKフラッグシップモデルMR-GにL/Rネジが初搭載
2018年10月発売の最上位モデルG-SHOCK MRG-G2000R-1AJRに、過酷な衝撃や振動でさえも緩むことのないネジ「L/R-ΔLocc(デルタロック)」が初搭載。
腕時計にタフネスという新たな概念を築き上げたG-SHOCKが、耐振動性能に磨きをかけるために当社と共同開発を実施。既に緩まないことを実現していたL/Rネジだが、素材・表面加工の限定はもちろん、ボルトのネジ部径わずか1.6mm。メンテナンス用に破壊することなしに外せる必要があることから、恒久的嵌合のラッチ構造を適用できないため、弾塑性力学を応用した「Δ(デルタ)ロック」機構を新たに開発。代表の道脇氏が生み出した新たなメカニズムである。
業務内容
- 高機能・高性能型産業用締結部材および締結部材性能評価試験機・試験室の開発・製造・販売・試験受託・ライセンシング
プロダクト
「L/Rネジ」/世界各国特許取得済
左ねじのナットと右ねじのナットの双方を螺合可能な螺旋構造を持たない特殊な3次元構造のボルトフォルムのL/Rボルトに対し、右ねじナットと左ねじナットを螺合し、これらのナット同士をL/Rボルト上において機械的に結合させることにより、従来ねじの緩み止め原理である圧接摩擦力に全く依存せず、機械構造的に緩まない状態を作出することが可能な、締結方法が革新的に異なる「緩むことのないネジ」。
特殊三次元構造のネジ山を持つL/Rボルトと、目的に合わせた様々な仕様の専用ナットとの組み合わせにより締結。一度締めたら外せない、溶接・リベットからの脱却を可能とするタイプ、所定トルクでの取外しを可能とするタイプ、ボルト上の任意の中間位置で固定を実現したタイプ、ナット1個で緩み止めを実現しつつ逆回転を完全防止し分解・いたずら防止、バージン性を保証するタイプなど、多様な用途やニーズに対応できる豊富なバリエーションを取り揃えている。
「Zaloc(ザロック)」/ナットを使わない、完全締結
頭部座面ロッキングラッチ付きZalocボルトと、これと噛み合う座面ロッキングラッチ付きのZalocワッシャーとで構成され、被締結体のタップねじ穴部に、Zalocワッシャーを介してZalocボルトを組み付けるだけで、摩擦力によらない完全締結を実現。
「SMART FASTENER(スマートファスナー)」
スマートレジリエンスを実現する無人常時遠隔モニタリングシステム。
当社が開発する「SMART FASTENER(スマートファスナー)」は、締結作業時の締結軸力や状態の一括管理を可能とし、締め忘れが無いか、各「SMART FASTENER」の締付け状態が正常かを見える化することをはじめ、その後の経時状態をモニタリング可能とすると共に、「SMART FASTENER」が組み込まれた構造体の各部や全体の健全性をモニタリングすることを可能とする技術。
緩まないネジ技術に立脚した、構造物全体の応力状態を無人で常時の遠隔モニタリングをするためのデバイスであり、いわばそれは強度部材としてのネジ型の応力センサである。
受賞歴
- 2009年度 MIT(マサチューセッツ工科大学)-EF主催 ビジネスプランコンテスト 最優秀賞を含む3賞を受賞
- 2010年度 新技術開発財団助成事業に採択/主催:財団法人新技術開発財団
- 2011年度 かわさき起業家大賞 大賞(=川崎市長賞)を含む6賞を受賞(かわさき起業家大賞、日本起業家協会賞、りそな神奈川応援賞、相模原産業創造センター賞(第1号受賞)、大和企業投資賞、会場応援賞)/主催:財団法人川崎市産業振興財団
- 2011年度 東京都ベンチャー技術大賞 大賞(=東京都知事賞)受賞/主催:東京都産業労働局
- 2011年度 グッドデザイン賞 金賞(=経済産業大臣賞)受賞/主催:公益財団法人日本デザイン振興会
- 2011年度 九都県市きらりと光る産業技術賞 受賞
- 2012年度 戦略的基盤技術高度化支援事業(関東経産局)採択
- 2013年度 グローバルニッチトップ助成事業に採択/公益財団法人東京都中小企業振興公社、東京都知的財産総合センター
- 2015年 第14回 日本イノベーター大賞(日経BP社主催)優秀賞受賞
- 2019年 第7回 技術経営・イノベーション賞・会長賞を受賞
経営者プロフィール
代表取締役社長 道脇裕
(同社Webサイトおよび同社PR TIMES掲載情報を基に当社編集)