内視鏡AIでがん見逃しゼロへ。消化器内視鏡分野で国内トップクラスの医療機関と画像診断AIを共同研究・開発
株式会社AIメディカルサービス
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会社概要・事業内容
会社概要
「内視鏡AIでがん見逃しゼロへ」をミッションに、内視鏡の画像診断AI(人工知能)を開発を行うベンチャー。
当社AIの性能(診断精度)は国際的な論文誌に取り上げられており、消化器内視鏡分野で日本を代表する医療機関約80施設と共同で内視鏡AIを研究開発を行っている。
その成果は既に世界の専門家に広く認められており、例えば世界最大の消化器系学会とされるDDW(Digestive Disease Week)では、12本もの演題が当グループから採択されるという快挙を成し遂げ、そのうち1題は“Best of DDW”に選出。
これらの技術を早期に実用化し、医師による診断をAIがサポートすることで病気の見逃がし等のリスクを極限まで減らし、世界の内視鏡医療現場に貢献する。
<取組みの例>
世界の内視鏡AI開発は「大腸ポリープ」「静止画」に関する取り組みが多いなか、当社は「早期の胃がん」を第一弾製品化の対象とし、さらに「動画」対応のAIも開発。病変の拾い上げ(検出)、状態の判別、範囲表示まで一貫して行う。
CEOの多田氏は東大・医学部出身の内視鏡専門医で、国内有数の検査数を持つクリニックも経営する経営者でもある。そのため、経営的視点と臨床的視点の両方を持って製品開発を行っている。COOの山内氏は医療系ベンチャーの立ち上げとバイアウトの経験があるシリアルアントレプレナー。当社は3度目のスタートアップ立ち上げとなる。
2019年10月、グロービス・キャピタル・パートナーズ、WiL、Sony Innovation Fund by IGV等の各社が運営するファンド及び複数の事業会社等を引受先とした第三者割当増資(シリーズB)を実施し、約46億円の資金を調達。
当社は平成30年8月にインキュベイトファンドから約10億円を調達しており、経営陣の出資や国の助成などを含めると創業2年で累計総額約62億円となった。
事業内容
- 内視鏡の画像診断支援AI(人工知能)の開発
内視鏡の画像診断支援AI(人工知能)にどこまでも特化
当社は、消化器すなわち「食道・胃~小腸・大腸」に対する「がん関連病変」の内視鏡検査において、専門医の診断を支援するシステムの実現を目指している。
当社テクノロジーは、他の医療分野でも活用できるポテンシャルを有しているが、創業の理念どおり「内視鏡の診断支援」にこだわっている。医療という責任ある現場で本当に使えるものを実現し、世界の患者を救うことに専心する。
そのため、コア技術の研究だけで満足はしないし、また受託開発をすることもない。最終プロダクトの開発まで突き進み、現場の医師や患者からのフィードバックを受けて高速改善サイクルを回す。
世界最先端の技術実績
次々と認められる論文
世界初となる胃がん人工知能拾い上げ論文 がGastric Cancer誌に、ピロリ菌AI診断論文(こちらも世界初)がEBioMedicine誌(LancetとCellの姉妹誌)に掲載。さらに、大腸がん(早期/進行)拾い上げや、臓器判定(咽頭/食道/胃/十二指腸)に関して論文投稿済である。
特許出願も複数
国内特許出願済みなのはもちろん、海外でも出願する。世界中で行われている熾烈な医療AI開発競争において、当社は世界をリードしていると自負している。
医師平均を超えた「正確さ」
将棋ではAIと名人の対決が有名だが、当社のAIも内視鏡医20名以上と対決したところ、ピロリ菌胃炎判定で医師の平均を上回る正解率を達成。AIは医師の臨床現場で充分に支援パートナーとなり得ることが証明された。
リアルタイム可能な「スピード」
ハードウェアの性能向上とCNN(畳み込みニューラルネットワーク)モデルの進化により、すでにリアルタイムでの判定が実現可能になっている。すなわち、AIは内視鏡検査をしているその場で病変発見支援できるまで技術レベルが進歩しており、全世界の臨床現場で必須のツールになると信じている。
テクノロジーの基盤
ディープラーニングをフル活用
画像認識分野のCNNは世界中で研究が行われており日々進化している。特に、ディープラーニングによる画像認識レベルは従来の機械学習を超越しており、すでに人間の能力を超えた。これらの成果をいち早く採り入れている。
肝となるデータの量と質
AIの開発実務においては、教師データ(AIに覚えさせるデータ)の質と量がカギを握る。当社は全国の有力病院と数十名の内視鏡専門医の協力を得ているため、良質かつ膨大な数の画像を継続的に集めることができ、かつ、それらを地道な仕分け作業を行うことでAI用画像データベースを構築している。
作業用プラットフォームも自社開発
開発スピードを高めるために業務プラットフォームとなるシステムは自社で開発し、効率良く業務ができるよう改善を続けている。たとえば、医療データの扱いに細心の注意をしつつ協力医師の作業効率を最大化するために「画像匿名化処理ソフト」や「画像仕分けWEBシステム」を開発。今後も自社開発の強みをいかして、スピーディーな改善・改良を続けていく。
経営者プロフィール
代表取締役会長・CEO 多田智裕
1971年生まれ。東京大学医学部ならびに大学院卒。東京大学医学部付属病院、虎ノ門病院、多摩老人医療センター、三楽病院、日立戸塚総合病院、東葛辻仲病院などで勤務。2006年にただともひろ胃腸科肛門科を開業し院長就任。2012年より東京大学医学部大腸肛門外科学講座客員講師。浦和医師会胃がん検診読影委員。日本外科学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本消化器病学会専門医、日本大腸肛門病学会専門医。『行列のできる 患者に優しい“無痛”大腸内視鏡挿入法』など著書複数。
代表取締役社長・COO 山内善行
1965年生まれ。東京大学工学部卒。米国の都市計画会社に勤務後、1994年に株式会社カレン創業。自動車会社・銀行等のネットマーケティングのコンサル&業務受託で社員100名規模に。2006年に株式会社QLifeを創業して日本最大級の病院検索・医療情報サイト運営や製薬会社支援業務を行うほか、日本最多数規模の医師・診療所むけサービスを複数展開。著書複数。
(同社Webサイトおよび同社Wantedly掲載情報を基に当社編集)