独自の核酸化学技術により全く新しい「ボナック核酸」の創出に成功!革新的な核酸医薬を開発するベンチャー
株式会社ボナック
画像取得先: http://www.bonac.com/
会社概要・事業内容
会社概要
「ボナック核酸」を利用した革新的な核酸医薬を開発しているベンチャー。
核酸化学を通じ医薬品の創出や診断薬の開発など、世界の核酸医療の展開・発展に対し、様々なソリューションを提供する架け橋となるべく設立。
核酸医薬開発に関する課題を克服するため、新たな視点で独自の研究を推進。独自の核酸化学技術を駆使して「ボナック核酸」という全く新しい基盤技術の創出に成功。これらの基盤技術は、独創的な特許として世界各国へ出願し、すでに日米欧で特許登録を得いている。
当社は、「核酸医薬開発に耐え得る核酸原料・核酸分子の開発」、「開発された核酸原料・核酸分子に係る知財戦略の立案・実施」、「核酸医薬の開発推進」を具体的目標として掲げ、「ボナック核酸」の開発により確立された基盤技術を核として、核酸医薬分野における事業化を目指す。
事業内容
- 原薬製造(核酸原薬製造)
- 医薬開発(核酸医薬開発・支援)
「原薬製造ビジネス」付加価値の高い原薬を
当社は2013年11月、住友化学株式会社にボナック核酸及び独自の核酸原料の製造販売権をライセンスした。当社との協業体制の下、医薬品の原薬製造に長い歴史と実績を有する住友化学の核酸製造市場への参入は、ボナック核酸を用いた医療の発展に大きく寄与する。
「医薬開発ビジネス」日本発の核酸医薬品の創出を
欧米企業により多数の核酸医薬品の非臨床、臨床研究が行われている一方、日本における核酸医薬品の実現化に向けた取り組みは、欧米諸国に比して後塵を拝している状況。しかし、当社のボナック核酸は日米欧で特許登録されたこれまでにない革新的なプラットフォーム技術である。日本発の核酸医薬品の創出を強力に進めることが可能である。
<ビジネスモデル>
「製薬企業と共同研究・開発」「製薬企業に医薬品の開発権をライセンス」「自社開発」等により、核酸医薬品の開発を推進。また医薬開発ビジネスの活性化のため、アカデミアの協力の下、核酸医薬品・診断薬のシーズ探索を実施している。
独自構造の新規核酸分子「ボナック核酸」とは
当社が創出した新規一本鎖核酸の総称。その特徴として、特有の構造を有し、基本特許でカバーされているものが対象となる。そしてその特有な構造が、固有の機能を発揮する。
核酸は体に必要な成分。体内で利用するために核酸は消化・代謝される必要があることから、体内ですぐ分解されてしまい不安定である。「ボナック核酸」は天然型の核酸で作られているが、その特徴的な構造から分解されにくく、安定的に体内の必要とする箇所へ届けることが可能。また「ボナック核酸」は天然型の核酸で作られているため、体内にあっても安全であると考えられる。
「ボナック核酸」は、内部の配列設計を工夫することにより、siRNA及びmiRNAと同様の効果を発揮することが可能。また、「ボナック核酸」の技術を使った新たな領域へのチャレンジも続けている。
<ボナック核酸の特長>
- 「一本鎖長鎖」で日米欧の特許を取得
核酸医薬は、「二本鎖短鎖RNA」を用いたものが中心だった。「一本鎖長鎖RNA」では実現が難しいとされていたが、新しい発想と技術力によってクリア。日米欧での特許審査を通過した。 - アミノ酸利用で高い安定性を実現
壊れやすいという欠点をもつ「二本鎖短鎖RNA」ではなく「一本鎖長鎖RNA」を採用したこと、また折り返し(リンカ―)部分に核酸よりも分解されにくいアミノ酸を用い、高い安定性を実現。 - 自然免疫応答の副作用を回避
「一本鎖長鎖RNA」を用いた「ボナック核酸」では、その免疫応答を回避できることが確認されている
<ボナック核酸にできること>
タンパク質合成などの遺伝子発現を抑える治療薬が開発できる。
病気の原因となる異常なタンパク質を合成するRNAに働きかけて抑制することで、病気の治療を図ることが可能。たとえば現在は、肺が線維化する難病「特発性肺線維症」について、主要な増殖因子であるTGF-β1タンパク質の発現を抑える治療薬開発に、大手製薬会社とともに取り組んでいる。
<核酸医薬とは>
2006年にノーベル生理学・医学賞を受賞した「RNA干渉」の発見を利用した医薬品。
たとえば、異常なタンパク質がつくられてしまう病気に対して、これまでの医薬品はタンパク質そのものに作用するものが中心だったが、核酸医薬はタンパク質をつくり出すRNAに作用することで、異常なタンパク質そのものをつくらせないことが可能。医薬品として承認されているものは世界でもまだ少数だが、これから市場が急拡大していくと目されている最先端分野である。
研究開発
核酸化学によって核酸医薬品の創薬に取り組む当社では、研究から開発・検証まで一貫体制で実施。また、開発した製品・パイプラインの知的財産保護についても、戦略的に展開している。
1.研究開発体制
核酸原料の開発から製剤開発まで一貫して実施可能な研究開発体制を構築。
ボナック核酸に基づくプラットフォーム技術の創出はもとより、これに関連する核酸原料の開発からin vitro試験、in vivo試験、CMC、製剤開発まで一貫して実施可能な研究開発体制を構築。また、創出した知的財産の権利を確保するため、知的財産戦略を担う独立した部門を設置。
2.プラットフォームの開発
- 核酸合成
効率的な核酸合成と機能性核酸分子の創製を実現するために、独自の原料である「アミダイト」を開発。これによって長鎖RNAの合成が可能となっている。 - siRNA
独自のRNA核酸合成技術(後述)に基づき、ボナック核酸(nkRNA及びPnkRNA)と呼ぶ、約60塩基から成る一本鎖直鎖状RNAオリゴマーを開発。
siRNAは体内で異物として認識されてしまう結果、生体の自然免疫反応を活性化させるという副作用が問題になっており、米国において開発中のsiRNAの第Ⅲ相試験が中断された。しかし、「ボナック核酸」はそのユニークな構造のため、自然免疫応答を回避。すなわち、これは「ボナック核酸」が副作用の少ない核酸医薬品として利用できることを示唆している。 - 新規分野
miRNA、CRISPRなどの新たな領域にも核酸化学の視点からアプローチ。核酸化学を武器に、目覚ましい発展を続ける核酸創薬の分野に挑戦し続ける。
3.核酸医薬の開発
独自のユニークな核酸技術を用いて、肺や眼などの難治性疾患に対する治療薬や治療に応用可能な技術の開発を実施。
難治性疾患である特発性肺線維症や加齢黄斑変性症等に着目し、核酸を患部に直接投与することにより、治療効果を向上するための研究開発を目指す。核酸の特徴を生かし、これまでにない医薬品の創出や従来の医薬品の改良に向けた取り組みを実施。
- IPF
特発性肺線維症(IPF)は、肺胞の壁(間質)にコラーゲン等の線維が沈着することによって肺の柔軟性が損なわれ、呼吸不全に陥る病気。当社では、核酸を用いることにより、本疾患に対する治療薬の開発を実施している。 - 眼科疾患等に対する創薬
角膜や網膜などの難治性疾患に対して核酸を用いることにより、疾患を治療できる技術の開発を実施。またNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)や、その他の組織線維症における核酸医薬開発も行っている。 - 製剤・CMC
「CMC(Chemistry, Manufacturing and Control)」とは、医薬品の原薬や製剤についての化学・製造、およびその分析に関する仕事全般のことを指す。
経営者プロフィール
取締役会長 大木忠明
代表取締役社長 林宏剛
(同社Webサイトを基に当社編集)