レパトア解析やネオエピトープ解析など、独自開発の免疫多様性解析で効率的な医療を推進するバイオテク企業
Repertoire Genesis株式会社
画像取得先: http://www.repertoire.co.jp/wprepgen/
会社概要・事業内容
会社概要
「治らないをなくす」をミッションにして、免疫系に作用する新規治療法および診断法の開発に取り組んでいるバイオテクノロジー企業。
TCR/BCRレパトア解析やネオエピトープ解析をはじめとした、当社独自開発の免疫多様性解析技術を基盤として、生体内の免疫システムを詳細に解析するというアプローチにより、2014年10月の設立以来、未解決の医療ニーズ、なかでもがんや自己免疫疾患、感染症などの免疫が関与する疾患分野を注力領域と位置づけ、効果的な治療法や診断法を提供するために挑戦を続けている。
当社では免疫の「多様性」を解析する技術を核にした事業を展開し、世界中の病気で苦しむ患者に対して、これまでにない新しい治療法や診断法を実現するために取り組んでいる。
2014年の設立以来、大学などの研究機関(アカデミア)へのサービス提供で実績を重ねてきたが、近年は、アカデミアでの実績をもとに、製薬会社からの中~大型案件の受注も獲得。
当社のプラットフォームは、大学などの研究機関(アカデミア)、製薬企業、診断薬企業や医療サービス提供企業などの複数をターゲットとして、顧客ごとの異なる課題(目的)に応じ、柔軟なサービス提供が可能である。
TCR/BCRの遺伝子解析を通して免疫の特異性や多様性を明らかにするレパトア研究を開始してから四半世紀、以来、非バイアスTCR/BCR増幅法の確立、次世代シーケンサーによるUltra-deep sequencing、多量情報を高速処理するバイオインフォマティクスソフトの構築により、TCR/BCRレパトア解析法を実現してきた。
当社が提供する次世代TCR/BCRレパトア解析技術は、従来法および既存法に比べ網羅的・定量性に優れ、白血病や悪性リンパ腫の検出、骨髄移植後の免疫多様性の評価、自己免疫疾患および感染症の免疫特異性解析に用いられ、がん免疫療法や免疫チェックポイント阻害剤の有効性評価などの創薬目的にも利用可能。さらに新技術として、癌における完全個別化医療を前提とした、癌細胞における体細胞変異を網羅的に探索するバイオインフォマティクスソフトを開発し、ネオエピトープ解析・探索・同定を可能とする革新的技術の開発に成功した。
疾患に対して予防・診断・治療に資する医科学研究を行うため、独自開発した二つの技術として、①レパトア解析法は免疫病態解析を、②ネオエピトープ解析法は疾患特異的な体細胞変異の全貌を明らかにすることによる病因解明を可能とした。
2019年3月、当社の大阪試験所が日本適合性認定協会から、世界で初めてレパトア解析の分野で国際規格「ISO/IEC 17025」の認定を取得。この認定により、当社大阪試験所の技術能力が国際標準に適合していることが証明されることになる。
事業内容
免疫多様性解析を基盤とした、新規診断法/治療法の開発支援
- 非バイアス 次世代 T細胞受容体/B細胞受容体 レパトア解析
- ネオエピトープ解析
レパトア解析とは
レパトア解析とは、TCRやBCRを構成しているV遺伝子やJ遺伝子の使用頻度やCDR3領域(※)の塩基配列を調べることで、TCRやBCRの特異性や多様性を明らかにする解析。TCRやBCR遺伝子の塩基配列を決定するために、mRNAから遺伝子増幅するが、当社では独自に開発した非バイアス遺伝子増幅法を用いており、網羅的でより正確なレパトア解析を実施することが可能。
(※) CDR3領域:相補性決定領域。TCRでは抗原ペプチドを、BCRでは抗原に直接結合する領域であり、特に多様性の高い領域のこと。
技術
がん細胞を攻撃するT細胞を特定する「TCR/BCRレパトア解析」
非バイアス遺伝子増幅技術と独自に開発した専用バイオインフォティクスソフト(Repertoire Genesis)を備えた次世代TCR/BCRレパトア解析技術を開発。この技術は、従来の技術に比べ定量性に優れ、悪性リンパ腫や白血病細胞の検出、抗原特異的TCR/BCRの同定、免疫チェックポイント阻害剤やがん免疫療法の有効性評価などの幅広い用途に利用可能。
がん細胞を攻撃するための目印を見つける「ネオエピトープ解析」
完全個別化医療を見据えた、完全個別化されたがん抗原を検索できるシステム。
この技術は、従来のような「共通したがん抗原」を検索するものではなく、個々人に発生する「がん」はすべて異なることを前提とし、がん細胞における遺伝子変異を軸として抗原認識可能なエピトープを解析。そのため、RNA および DNA シーケンス、バイオインフォマティクスをセットとして実施する。
次世代 16S rRNA 菌叢解析
細菌がもつ 16S rRNA 遺伝子を PCR にて増幅し、次世代シーケンサーで解析することで、検体に含まれる細菌の種類や分布を解析(菌叢解析)。
腸内細菌や口腔内細菌などの分布を網羅的に評価できる。
当社では、ラボや実験機器、解析ソフトを持っていなくても手軽に菌叢解析が実施できるよう、次世代シーケンサーを用いた 16S rRNA 菌叢解析サービスを提供。このサービスでは、依頼主が検体を冷凍便にて発送、当社にてゲノム DNA を抽出、16S rRNA を対象とした特異的 PCR、Miseq を用いた次世代シーケンス解析、専用のバイオインフォマティクスソフト(Flora Genesis)を用いた系統分類解析および菌種同定解析結果を含めて、トータルで実施する。要望に合わせて、別途 2 次解析(検体間比較、多様性指数、PCoA 等)も実施可能。
経営者プロフィール
代表取締役社長 兼 CEO 鈴木隆二
(同社Webサイトを基に当社編集)