元・武田薬品研究者によるがん領域に特化した研究開発型バイオベンチャー。がんゲノム研究の第一人者と共同研究
Chordia Therapeutics 株式会社
画像取得先: http://www.chordiatherapeutics.com/
会社概要・事業内容
会社概要
当社は、武田薬品の「アントレプレナーシップ・ベンチャー・プログラム」(EVP)イニシアチブ*に参加した6人の元武田薬品研究者によって設立された、がん領域に特化した研究開発型バイオベンチャー。2017年11月1日、武田薬品工業株式会社の湘南ヘルスイノベーションパーク(神奈川県藤沢市)に設立。
アンメットメディカルニーズの高いがん治療薬の研究開発を強力に推進している。
シリーズAラウンドで調達した約12億円の資金を用いて選択的汎CDC様キナーゼ(CLK)阻害剤CTX-712の第I相臨床試験を2018年11月に開始。また、CTX-712に加えて、前臨床段階にある抗がん剤候補としてMALT1、GCN2およびCDK12に対する阻害剤をパイプラインに有し、湘南アイパークの整備された実験環境の中で創薬研究を行っている。
また当社は、分子標的ならびに個別化医療に注力した研究開発戦略を掲げている。がんは様々な分子的要因によって発生する疾患だが、一人一人の患者に対応した適切な標的にアプローチすることが重要。がんの原因となる分子や生命現象を標的とする低分子化合物を創出し、さらには最新の科学技術を用いて薬が効くがんを選別して臨床試験を実施する。
*「アントレプレナーシップ・ベンチャー・プログラム」(EVP)イニシアチブは、武田薬品の研究アセット、技術および卓越した研究者とスタートアップ企業支援を組み合わせ、イノベーションとアントレプレナーシップを促進する環境醸成のために創設された。
がんゲノム研究の第一人者、京都大学大学院医学研究科の小川誠司教授との共同研究
創薬研究を加速させるために、当社はアカデミアと緊密に協力している。
小川教授は細胞がん化の分子機構の解明につながるスプライシング因子の変異を発見。小川教授との共同研究により、当社はスプライシング反応を調節してがん細胞を死滅させることをコンセプトとするCLK阻害薬の開発を効率的に進めている。
さらに小川教授は、成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)発症の分子基盤も解明。当該研究から発展した京都大学、宮崎大学、当社による創薬共同研究プログラムは国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の産学連携医療イノベーション創出プログラム(ACT-M)から支援を受けている。
「CLK」「CTX-712」とは
スプライシングを制御するキナーゼであり、前臨床の薬理試験の結果からCLK阻害剤CTX-712はスプライシングに異常が生じているがん細胞を選択的に死滅させることが期待されている。これまでの抗がん剤とは全く異なる、新しい作用機序を有するCTX-712の第I相臨床試験では、主に安全性と薬物動態の評価を行いながら、がんへの治療効果も検証していく。
※CTX-712の臨床試験の詳細
https://www.clinicaltrials.jp/ctiuser/trial/ShowDirect.jsp?clinicalTrialId=21988
資金調達
- 2017年11月 シリーズAラウンドにおける第三者割当増資により総額約12億円を調達。武田薬品工業株式会社と京都大学イノベーションキャピタル株式会社によりリードされ、三菱UFJキャピタル株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社が参加。
- 2019年3月 シリーズBラウンドにおいて、京都大学イノベーションキャピタル株式会社と株式会社ジャフコをリード投資家とし、新生キャピタルパートナーズ株式会社、三菱UFJキャピタル株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社、および日本ベンチャーキャピタル株式会社を引受先とした第三者割当増資により、総額約30億円を調達。
経営者プロフィール
代表取締役CEO 三宅洋
(同社Webサイトを基に当社編集)