独自の構造タンパク質素材「Q/QMONOS®」。人工合成クモ糸繊維を開発、世界に先駆けて量産化技術を確立
Spiber株式会社
画像取得先: https://www.spiber.jp/
会社概要・事業内容
会社概要
持続可能な次世代の基幹材料として期待されるタンパク質素材の産業化を目指して、2007年に設立された研究開発型バイオベンチャー企業。創業者である関山和秀と菅原潤一が2004年から慶應義塾大学先端生命科学研究所(山形県鶴岡市)で取り組みはじめたクモ糸人工合成の研究成果を活用し、独自の構造タンパク質素材「QMONOS®」を開発、世界に先駆けて量産技術の確立に成功。本素材は、化学繊維のように主な原料を石油に頼ることなく、Spiber独自の技術によって多種多様な特性や形態の材料を設計することが可能。
事業内容
新世代バイオ繊維開発事業
- バイオ繊維素材開発プラットフォームによる新素材デザインシステムの研究開発
- 有用タンパク質量産システムの研究開発
- DNA情報記録技術を用いた各種サービスの提供
- 微生物の標識を目的としたDNAタグ技術「CELL-ID™」の研究開発及びサービス提供
Q/QMONOS®
世界に先駆け「Q/QMONOS®」人工合成クモ糸繊維の量産化技術を確立。「Q/QMONOS®」は、従来のポリエステルやナイロンなどの石油由来の化学繊維ではなく、クモの糸などに含まれるフィブロインというタンパク質のDNAをベースにSpiber独自の微生物発酵技術により生成し、紡糸・加工工程を経て生産する。本素材は、高い機能性を持ちながら環境性に優れたサスティナブル素材として早期の産業化が期待されている。
プロダクト
「MOON PARKA® Prototype」
実際の工業ラインで製造された世界初のプロトタイプ。
当社が保有する分子ライブラリより表地及び刺繍糸に最適なタンパク質の選定から、紡糸、撚り、織り、縫製など、各プロセスの最適条件を検討するため、膨大な数の実験を実施。そして2015年9月26日、開発を進めてきたクモフィブロインベースのタンパク質素材「QMONOS®」を用い、THE NORTH FACEの“ANTARCTICA PARKA”をベースにしたアウタージャケットのプロトタイピングに成功。このプロトタイプは世界で初めて実際の工業ラインで制作された人工タンパク質素材を使った衣服である。
「Lexus Kinetic Seat Concept」
お客様の期待を超える驚きと感動を提供し続けるラグジュアリーブランドとして、創造的な先進技術をいち早く提案しているLEXUS。2016年10月にパリモーターショーで、長時間運転による疲労軽減や、旋回時の運転しやすさ向上を目指してデザインされたコンセプトシートを発表。このシート背面の裏側に、高い衝撃吸収性能が期待される当社人工合成クモ糸繊維「QMONOS®」が起用された。
経営者プロフィール
取締役兼代表執行役 関山和秀
2005年3月 慶應義塾大学環境情報学部卒業
2007年3月 慶應義塾大学政策メディア研究科修士課程修了
(バイオインフォマティクス専攻)
2007年9月 当社設立 代表取締役社長就任
2014年6月 当社取締役兼代表執行役就任(現任)
2014年9月 Xpiber㈱代表取締役就任(現任)
(同社Webサイト、同社Wantedlyおよび同社PR TIMES掲載情報を基に当社編集)