基幹技術「疾患分子センシングテクノロジー」とIoTを融合。次世代の医療サービス『デジタルメディシン』を提案
セルスペクト株式会社
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会社概要・事業内容
会社概要
疾患分子センシングテクノロジーとIoTを融合させた、次世代の医療サービス「デジタルメディシン」を提案する医療機器メーカー。医療機器の基盤技術開発、新規バイオマーカーの開発、分析装置・診断薬の開発を通じて、製造販売事業を推進している。
次世代の医療診断分野における重要なテーマは、「低侵襲」「個別化」「高機動化」の3点。すなわち、「いつでも、どこでも、誰でも、痛みを極力伴わない」医療診断アイテム。当社は、疾患分子センシング(製剤学、免疫・生化学、材料物理学、IT)の横断的技術を駆使することで、デジタルメディカルデバイスの実用化に挑戦している。
◆分野横断的な企画力と技術力が特徴
当社の基幹技術は、血液や尿中に含まれるバイオマーカーを測定する「疾患分子センシングテクノロジー」。通常、バイオマーカーの開発、臨床研究、診断薬及び検査装置の開発はそれぞれ各々の事業者が行うことが一般的だが、当社はベンチャーでありながら分野横断的な企画力と技術力を活かして、これら全てを一貫した事業を推進している。
◆「医療×IT」 次世代ヘルステック事業を推進
検査試薬に関する技術力と、検査装置まで設計できる開発力を武器に、「いつでも、どこでも、誰でも、痛みを伴わない」新しいメディカルデバイスの開発と、これらのデバイスとITを掛け合わせた「ヘルステック」事業を推進。また、当社では知財戦略を重要視しており、積極的に特許出願を行い、企業価値を高めている。
事業内容
- 次世代プライマリケアソリューション事業
- 子宮内膜症性腫瘍の非侵襲な光学式診断プローブ
- ウエットバイオプシーとがん個別化ソリューション
- ヘルステック&ヘルスデータ活用事業
「デジタルメディシン」とは
健康チェックの新しいかたちとして「気づき」と「ヘルスケア」を同時に提供するコンシューマヘルスケアサービス。
- 次世代プライマリケアソリューション事業
- ヘルステック・データ事業
- 子宮内膜症性腫瘍の非侵襲な光学式診断プローブ
- プレシジョン・メディシン
研究・開発例
次世代プライマリケアソリューション事業
POCT(Point of Care Testing)に関連する分析装置および診断薬の開発を行っている。POCTとは、診察室、ベッドサイド、あるいは在宅など、場所や場面を問わず、被検者の傍らで迅速かつ適切な診察を行うことができる検査。 当社が開発するPOCTでは、画像処理技術と診断試薬の製剤化技術、並びに材料物理学的な技術を横断的に駆使することで、異なる測定原理の複数項目を同時に測定可能。これにより、あらゆるニーズに応じた測定が可能になり、医療をより身近なものにし、QOLの向上に寄与することを目的としている。
ヘルステック・データ事業
誰もが気軽に健康チェックを行うことができる社会を実現するため、「フリー健康チェックスポット」を設置し、地域の皆様が健康チェックを行う機会を提供。健康チェックスポットでは、検体測定室用に自社開発した専用POCTを用いて、血液8項目および口腔内環境(オーラル)を測定する。測定した結果は、スマートフォンアプリ「KENPASS」からいつでも、どこでもチェックすることが可能。 地域住民とともに、「気づき」から、「健康意識を醸成する」健康プラットフォームを構築する。
子宮内膜症性腫瘍の非侵襲な光学式診断プローブ
子宮内膜症性卵巣嚢胞(別名「チョコレート嚢胞」と呼ばれる良性卵巣嚢腫)の一部は、悪性化することで卵巣癌になることが知られる。チョコレート嚢胞の癌化の診断は摘出組織の病理学的検査に依存しており、チョコレート嚢胞を有している多くの患者は悪性化していないものの、将来悪性化する可能性を考慮し、外科的な摘出処置を受ける場合が多く、より低侵襲、且つ精度の高い診断方法の実用化が嘱望されている。奈良県立医科大学産婦人科学と当社の共同研究により、チョコレート嚢胞液中において、生体中の鉄錯体の関連因子が子宮内膜症の悪性化を鑑別可能なバイオマーカーであることを発見。本事業はチョコレート嚢胞液中のこれらをバイオマーカーとして用いた子宮内膜症の悪性化度(癌、非癌)を診断する方法、及びこれを実施するための低侵襲な経腟プローブ(センサー)の臨床開発を推進している(特許6078687号)。
プレシジョン・メディシン
新たなバイオマーカーの開発を進めることで、患者ひとりひとりの疾病の状態を把握し個々に適切な治療を実施することを可能にする「個別化医療」を目指している。バイオマーカーとは、ある特定の疾病の状態や進行度、治療の程度を客観的に測定し評価するための指標。 本事業では、患者個々人に最適な抗がん剤投与量等の迅速判定システムの開発や、抗がん剤の血中濃度を特異的かつ高感度、迅速に検出するモニタリングキット(診断薬)の開発を推進している。
経営者プロフィール
代表取締役兼CEO 岩渕拓也
(同社Webサイトおよび同社Wantedly掲載情報を基に当社編集)