世界初の「ナノカプセル技術」「液晶技術」で皮膚研究から医療をブレークスルー。注射針を使わない医療を目指す
株式会社ナノエッグ
画像取得先: https://www.nanoegg.co.jp/
会社概要・事業内容
会社概要
聖マリアンナ医科大学難病治療研究センターのDDS研究から、2006年に創業。有用性が高く副作用の少ない薬剤を必要なところで効率よく作用させる技術『DDS(ドラッグデリバリーシステム)』や皮膚の難治性疾患の創薬研究を推進。アトピーの原因探索研究及び完治を目的とした新たな治療法や、肌に塗る・貼るだけのワクチンの開発などを構想し、「皮膚科学研究から医療のブレークスルーを起こすこと」「注射針を使わない医療」の実現を目指す。また、研究開発したさまざまな素材は、医療機関様での研究試薬ならびに各種化粧品開発に活用されている。
2018年、経済産業省が推進するスタートアップ企業育成支援プログラム「J-Startup」において、全国に約1万社あるベンチャーやユニコーン企業(非上場企業)のなかから、対象企業「J-Startup 企業(特待生)」として選出。
事業内容
- 医薬品、医薬部外品、化粧品、基剤等の開発ならびにそれらの製造と販売
アトピーの予防と完治を目的とした新たな治療法や、肌に塗る・貼るだけのワクチンの開発、加齢に伴う網膜疾患の点眼治療法などを構想し、「皮膚科学研究から医療のブレークスルーを起こすこと」、そして「注射針を使わない医療」の実現を目指す。また、当社独自の研究技術を応用した医薬部外品や化粧品を開発・販売するほか、一人ひとりが安心・納得してスキンケアが続けられるように、新たな研究開発にも取り組んでいる。
従来の医療美容分野の知見や常識のみにとらわれない柔軟な発想で皮膚科学を追究することで、創薬研究の推進、および有用な独自成分やテクノロジーを開発し、医薬品機能性化粧品化粧品原料研究試薬の各事業を展開。
当社のあらゆる事業活動の基盤は、皮膚研究とそれによる技術開発。その研究開発の中核となるのが、「必要な薬物を必要なタイミングで適切な場所に届ける」ことを可能にする技術=DDS(ドラッグデリバリーシステム)。近年、このDDSは医療や薬学の領域で注目されているが、当社は有用性が高く副作用の少ない薬剤を、いかに効率よく作用させるかを常に研究している。その研究開発を両輪となって推進しているのが、ナノエッグの「ナノカプセル技術」と「液晶技術」であり、それぞれが世界初のテクノロジーとして成果をあげている。
この『DDS〔ドラッグデリバリーシステム〕』技術を中核に、さまざまな素材や技術開発を積み重ねてきた。
さらに、加齢に伴って生じる皮膚疾患の詳細解明をはじめ、アトピー性皮膚炎の予防や完治を目的とした新たな治療法や、肌に塗る貼るだけのワクチンの開発、抗がん剤治療で生じる皮膚疾患予防のための外用薬開発などを構想し、皮膚科学でこれまで困難だった領域の研究開発に挑んでいる。
テクノロジー
ナノカプセル技術「NANOEGG®(ナノエッグ)」
世界で初めて、「無機質薄膜コート」を開発。薬物包摂濃度が99%以上、且つカプセル表面の皮膚親和性を高め、皮膚角質内に薬剤をすばやく浸透させる、直径わずか数~10数ナノメートルの球状カプセル技術。
当社の持っている技術の強みは、社名でもある「NANOEGG®(ナノエッグ)」と呼ぶナノカプセル技術。薬用成分の包接濃度が99%以上と高いうえ、皮膚への親和性にも秀でており、この球状の薬剤の特性によって薬剤を素早く皮膚の角質内に浸透でき、いったん皮膚に入ると自ら深部まで拡散していく。
他社が一般的に使うナノカプセルは100~200ナノメートルであるのに対し、当社が開発に成功したナノカプセルのサイズは、大きいものでも十数ナノメートル、小さいものではわずか数ナノメートル。当社は、レチノイン酸(ビタミンAの生理活性体)をはじめとしたいくつかの成分のナノカプセル化に成功している。
液晶技術
当社のもうひとつの強みは、液晶技術。液体と固体双方の性質を持ち、液状でありながら結晶のように分子が規則正しく並ぶ状態を液晶と呼び、パソコンやテレビ画面だけでなく、人の皮膚のなかにもこの液晶の構造は存在している。
健康な皮膚は角質細胞のすき間に「細胞間脂質」が水分を保ちながら整然と並んで、非常に硬い「ラメラ」と呼ばれる特徴的な構造になっており、細菌などの異物の侵入を防いでいる。例えば、人が風呂に入っても、簡単に水が浸透して膨れ上がらないのは、細胞間脂質が重要な働きをしているからだ。しかし、ほんの一瞬でも薬が入る通り道を作ることができたら、様々な薬をニードルレス(針を使わずに投与できる)にすることが可能になるかもしれない。
DDS医薬品、医薬部外品、化粧品として幅広い応用の可能性がある。
- 「NANOCUBE®(ナノキューブ)」
配合成分の経皮吸収を促進(角層まで)するジェル状整肌成分。配合成分の透過性向上(角層まで)を促すという新しい発想により生まれた化粧品に配合可能な成分である。
ナノエッグの機能性化粧品をはじめ、既にさまざまな化粧品販売メーカーの化粧品の素材として採用されており、今後はDDS技術を用いたニードルレス(針を用いない)医薬品、医薬部外品への応用が期待されている。 - 「MOISTURECUBE®(モイスチャーキューブ)」
細胞間脂質の持つ特徴的ラメラ構造ユニットの大きさ(面間隔:13~14nm)と同サイズのジェル。優れた保湿作用によりエイジングサインの元になる「乾燥」から長時間保護し、肌を内側からふっくらとさせる。細胞間脂質と類似した構造のため、保湿機能が高く、肌になじみやすいのが特徴。うるおったすこやかな肌の基礎となる、肌の保水バリア機能を調整。また、処方が組みやすい性質で、化粧品、医薬部外品、医薬品原料としてさまざまな処方での配合が可能。 - 「HAIRCARECUBE®(ヘアケアキューブ)」
皮膚角層と毛髪が類似構造であることに着目。ナノキューブ技術を応用して、キューティクルをはがさず、髪の深部へ染料や栄養・活性成分の浸透を促す技術。髪の光沢を生むキューティクルを傷めずに毛根内部へ配合成分の浸透を促し、髪本来の美しさを高める。
酸・アルカリどちらでも安定、水相にも油相にも分散溶解するため、様々な染毛剤やシャンプー、トリートメントへの応用が期待できる。
製品
MediQOL(メディコル)
「あきらめない敏感肌ケア」
肌のバリア機能が乱れ、トラブルを繰り返す「習慣性敏感肌」に不足している、「皮脂・水分・細胞間脂質」に着目。健やかな肌に整えるために必要な、皮膚構成成分でつくった新発想のスキンケアライン。肌には本来存在しない、アルコール・香料・着色料・防腐剤・鉱物油・乳化剤は全て不使用。
豊麗(ほうれい)
「持ち上げるチカラを」
年齢による肌コンプレックスは、皮膚に本来備わっていた成分や再生力が次第に減少していくことで生じる。『豊麗』の中心成分は、肌の活力源として角層へ浸透しやすくナノカプセル化したα‐リポ酸と、ハリをより強くサポートする独自成分の形状記憶スムースポリテイン。年齢に負けない、ハリ・弾力・うるおいのある素肌へと導くエイジングケア*ライン。
*年齢に応じた肌のお手入れ
Siroé White(シロエホワイト)
「真の美白を目指して生まれた」
思わず目を奪われるような、白く美しい肌。その理想の素肌の邪魔をするさまざまな「シミ」を、タイプ別に研究・分析して開発した、医薬部外品*1の美白*2スキンケアシリーズ。
*1 「シロエホワイトサンプロテクトUV」を除く
*2 メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ
ふわり/薬用育毛剤
「泡で、密着・浸透」
髪のボリュームや見た目は、加齢により髪そのものが細くなる“髪痩せ” が影響している。髪1本1本の表面から毛根へ有効成分を届けて育てる、まったく新しい発想の泡タイプ薬用* 育毛剤。
*医薬部外品
KIRARI(キラリ)
「美髪を仕立てる」
年齢を重ねると気になりだす、髪のハリ・コシや白髪。『KIRARI』は、頭皮環境を整えて、本来しなやかでツヤのある美しいなでしこ髪をキープするための、ホームヘアケアシリーズ。
経営者プロフィール
代表取締役社長/研究開発本部長 山口葉子
ダウコーニング株式会社、横浜国立大学大学院人工環境システム学に勤務後、聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター客員教授(現職)。科学技術振興機構プレベンチャー事業サブリーダーを経て、2006年4月に株式会社ナノエッグを設立、代表取締役社長に就任、2011年2月より現職ドイツBayreuth(バイロイト)大学自然科学群(Prof.Dr.H.Hoffmann)卒業、理学博士。
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