LCTFカメラを搭載したドローンや超小型衛星で、土壌観測や施肥・農薬使用の最適化支援を行う北大発ベンチャー
株式会社 ポーラスター・スペース
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会社概要・事業内容
会社概要
北海道大学、東北大学、滋賀医科大学の技術をベースに、農業や漁業、資源・エネルギー、防災といった分野におけるデータドリブンでの課題解決型サービスを提供することを目的として創設した北海道大学発ベンチャー。
衛星の商用活用に求められる「課題解決型」であり「オンデマンド」かつ「フレキシブル」な衛星観測を実現する独自戦略として、LCTFカメラを搭載した超小型衛星の複数運用を目指す。
人口爆発や地球環境問題とも密接であり、収穫への科学的コントロールが求められる農業分野での価値提供を実施。具体的には、独自開発のスマホ分光器やドローン搭載型LCTFカメラを活用した土壌や葉のスペクトル計測に基づいた病変の発見、施肥や農薬使用の最適化支援を行う。
こうした取組を通して、地表に対してある程度の角度を伴ったスペクトル計測においても正確な計測結果を導くスペクトル・ライブラリを確立し、将来的な超小型衛星でのスペクトル・リモートセンシングの実現へと繋げる。
2019年6月、経済産業省が推進するスタートアップ企業育成支援プログラム「J-Startup」企業に選出。
事業内容
- 超小型衛星・ドローン・地上計測機器等を使用したソリューションの提案
- 超小型衛星・ドローン・地上計測機器等が取得したデータに関する事業
- 超小型衛星及び関連コンポーネントの設計及び製造
- 超小型衛星の打ち上げアレンジメント及び運用支援・受託
プロジェクト概要
リモート・センシング(Remote Sensing)とは、「遠隔探査」のこと。人工衛星や航空機など地上より離れたところから、陸上・海洋・大気など色々な現象を探るための技術である。当社は超小型衛星により、大型衛星と比較するとコストは1/100、精度はより高く観測することが可能。液晶波長可変 (LCTF)フィルターカメラを搭載し、世界最多、数百バンドから選択できる観測を実現する。なかなか進まなかった、リモートセンシングの実利用(農業・漁業・林業・資源)を加速していく。
3つのコア技術
宇宙から超小型衛星、上空からLCTFを搭載したドローン、地上ではスマホ一体形分光器を使い、スペクトルライブラリーを構築。ライブラリー分析による様々なソリューションと共に、リモートセンシングの可能性を広げる。
- 世界随一のオンデマンド高頻度・高精度観測
- 完全なスペクトルライブラリーの構築
- ライブラリー分析よるソリューション
3つのコア・マテリアル
「スマホ分光器」(国内特許及びPCT出願中)
小型でありながら、スマートフォン一体とすることで、低価格、高性能での提供が可能に。入射・反射光の角度方位を自動計算、記録し、対象物の写真も付加してネットワークサーバへ送信。ユーザーが撮影したスペクトル情報を自動的に集積しデータベースを構築。ユーザーへ必要情報を提供。
<特徴>
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- スマホアプリにより誰でも簡単に操作することが可能
- 大型の分光器に匹敵する計測結果
- スペクトル計測が容易(画面で計測対象を確認しながらスペクトル測定可能)
- アタッチメント機器追加可能(土壌分析器、鮮度分析器など、各種色測定機器と代替可能)
「ドローン+ LCTFカメラ」(国内特許及びPCT出願中)
超小型衛星に搭載しているLCTFカメラを改良し、ドローンに搭載することにより、より高精度な観測が可能に。
“高度150 mから 視野150m四方、解像度20cm”
光学スペクトルは撮像角度や方位によって大きく変化する。それを補正するためのライブラリ作成にも、ドローンは力を発揮する。従来方式の100倍以上の効率でライブラリー構築することが可能となる。
<使用例>
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- 超小型衛星で広域を観測した後、ドローンによりピンポイントで観測。
- 大規模プランテーションを定期的に観測し、病害虫による被害や収穫時期を正確に把握。
「超小型人工衛星+LCTFカメラ」
波長可変液晶フィルターを応用したカメラは、衛星搭載用で従来のハイパースペクトル観測機器の1/100の価格と重量。超小型衛星のスペクトルカメラの地上分解能は5m。自在な短時間指向による高頻度観測が可能となる。超小型衛星搭載カメラの視野そのものは広くはないが、向けられる視野方向は、LANDSAT衛星などで使われている従来型カメラの約10倍、最先端のハイパースペクトルセンサーの約100倍であり、これが観測頻度に比例する。
“人類の未来を担うリモセンビジネスへ”
アジア マイクロサテライト コンソーシアムを構築することによりデータ共有のプロトコルの確立を目指す。
経営者プロフィール
代表取締役 中村隆洋
(同社Webサイトを基に当社編集)