世界で唯一、電子ビーム生成技術である「半導体フォトカソード技術」に大きな強みを持つ名古屋大学発ベンチャー
株式会社PhotoelectronSoul
画像取得先: http://photoelectronsoul.com/
会社概要・事業内容
会社概要
名古屋大学で30年以上にわたり培われてきた技術を基盤とした、名古屋大学発ベンチャー企業であり、電子ビーム生成技術である「半導体フォトカソード技術」に大きな強みを持つ世界で唯一の企業。
アカデミアで長年培われた電子ビーム技術をコアに、複数の異なる技術分野を融合させた製品・サービスを創出することで、電子デバイス~モノづくり~ライフサイエンスなどの幅広い産業分野に大きな革新を起こす。
名古屋大学の西谷智博特任講師が研究していた「半導体フォトカソード」型電子ビーム技術の事業化を目的に、当時名古屋大学学術研究・産学官連携推進本部に所属していた鈴木代表取締役、また田村取締役と共同で、2015年7月に創業された。
電子ビームは、電子顕微鏡や金属3Dプリンターなど幅広い用途で使われていた。このような状況の中、当社は、従来の電子ビームの性能を大幅に上回る「半導体フォトカソード」型電子ビームの実用化を世界で初めての事業化を行っている。
創業当初より、当社技術の応用先を幅広く探索していたが、近年の半導体業界の微細化の進展から、より強い要望のある半導体検査装置向けの開発に注力。当社技術によって、半導体検査のスループットが大幅に改善される。
2019年1月、切削工具メーカーのオーエスジー株式会社(OSG)等から4.7億円の第三者割当増資を実施。
2019年7月には、半導体検査装置メーカーから電子ビーム生成装置を受注。
事業内容
- 電子ビーム発生装置及び素子の研究、開発、製造及び販売
- 電子ビーム発生装置及び素子に関するコンサルタント業務 等
電子ビームは、ナノレベルでの加工・検査などに広く使われる基盤技術となっている。近年では、微細化・多層化が急速に進む半導体製造分野での重要性がますます高まっている。特に検査での活躍が期待されているが、そのためには劇的なスループット向上が必要。しかし、従来の電子ビームは過去45年以上も変わらぬ発生原理が使われており、特に電流密度の不足が課題となり、その実現が進んでいなかった。
当社が開発する「半導体フォトカソード」型電子ビームは、名古屋大学の半導体基礎技術に当社電子ビームを組み合わせることで、従来技術では実現困難なレベルでの大きな電流密度、さらには高い制御性を持った電子ビームを生成することが可能。これを半導体検査に適用することで、飛躍的なスループット向上を実現する。
当社の使命は、フォトカソード電子ビーム技術の開発を通じて、「みる(微細観測)」、そして「つくる(微細加工)」の世界を革新すること。
当社が開発するフォトカソード電子ビーム技術によって、高性能かつ多彩(パルス構造・低分散・大電流)な次世代の電子ビームが生成される。電子顕微鏡、半導体デバイス製造・検査装置、金属3Dプリンタ等の産業機器のキーデバイスである電子ビームを刷新することで、従来では不可能な微細観測、微細加工、高スループット性などを実現し、ライフサイエンス、材料、エレクトロニクスなどの広範な分野にブレークスルーをもたらす。
当社の技術は、名古屋大学を中心に30年間にわたり培われてきた技術に基づく。名古屋大学理学部では、フォトカソード技術の研究・開発が脈々と取組まれ、世界最高のスピン編極度80%の実現など、高エネルギー物理学へ多大な貢献がなされてきた。
そして、学術界にとどまらない、より広い技術の波及を目指し、世界初となるスピン分解した電子顕微鏡が実現された。
受賞歴
- 2015年11月 CNBベンチャー大賞2015にて「名古屋商工会議所会頭賞」受賞
- 2016年3月 経済産業省所管のNEDO公募の「研究開発型ベンチャー支援事業」に採択
- 2016年10月 アントレプレナーオブザイヤー2016東海・北陸大会アワード・セレモニーにて審査委員特別賞を受賞
経営者プロフィール
代表取締役 鈴木孝征
Ph.D. Takayuki SUZUKI
米国University of Deleware、および国内ベンチャー企業にて、大学技術の実用化研究・開発を行う。その後、6年間にわたる名古屋大学 学術研究・産学官連携推進本部の技術移転業務にて、技術・知的財産の事業化実績を持つ。
名古屋大学大学院生命農学研究科にて博士号取得。
取締役 技術開発担当 西谷智博
Ph.D. Tomohiro NISHITANI
名古屋大学 シンクロトロン光研究センター特任講師。
原子力研究開発機構、理化学研究所、名古屋大学にて、半導体フォトカソード技術の研究・開発プロジェクトを主宰。
当社では取締役として、技術開発を統括。
風戸研究奨励賞受賞。
名古屋大学大学院理学研究科博士課程修了 博士(理学)
(同社Webサイトおよび同社PR TIMES掲載情報を基に当社編集)