世界初!東大開発の架橋点が自由に動く夢の新素材「スライドリングマテリアル」。大手との共同研究、採用実績も
アドバンスト・ソフトマテリアルズ株式会社
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会社概要・事業内容
会社概要
東京大学の開発した架橋点が自由に動く夢の新素材(スライドリング マテリアル/SeRM®)の事業化を目的として2005年3月に設立したベンチャー。
東京大学からスライドリングマテリアルの包括的基本特許の専用実施権を得て、製品設計・市場開発・製法開発を進めている。 また、当社と東京大学伊藤耕三教授にて培った基盤技術を基に『オンリーワン』製品であるポリロタキサン(SeRM®)をクライアントのニーズに合わせ、特性付与したカスタマイズ製品を提供し、クライアントへの価値提供を行っている。
<テクノロジー>
スライドリングマテリアル
東京大学伊藤研究室から生まれた世界初の可動架橋点を持つ超分子材料。
SeRM® Super Polymer(超分子ポリロタキサン)をポリマーの網目構造に組み込むことよって実現される、動く架橋点を持った材料のことで、従来の材料にはない様々な特性を持つ。
2017年3月にはスライドリングマテリアルの特性を応用した誘電アクチュエータ、誘電センサ用途に関する独占ライセンス契約を豊田合成株式会社と締結。また、政府系の革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の伊藤耕三プログラム・マネージャーの研究開発プログラムにおいても東レ株式会社がポリアミドの網目構造をスライドリング化することで硬さを保ちながら耐衝撃性を大きく向上させることに成功するなど、スライドリングマテリアルの新しい機能も確認されている。
プロダクツ
SeRM ® Super Polymer (超分子ポリロタキサン)
異なる種類の分子が複数集まり比較的弱い相互作用によって結合した分子集合体。様々な樹脂に組み込むことで、動く架橋点を有する材料=スライドリングマテリアルに作り変えることができる。
SeRM ®シリーズ
【原料・配合物】
・スーパーポリマー:修飾ポリロタキサン
・キー・ミクスチャー:UV硬化性樹脂の低溶剤タイプ
・マイクロ ボール:スーパーポリマー配合微粒子
【半製品、製品】
・軟質ウレタンフォーム:高機能・高耐久性ウレタンフォーム
スライドリングマテリアルの応用例
ゴルフボール用コーティング材
住友ゴムグループの(株)ダンロップスポーツマーケティングから発売されたゴルフボールNEW「スリクソンZ-STARシリーズ」のコーティング(「Spin Skinコーティングwith SeRM®」)に採用。
「Spin SkinコーティングwithSeRM®」をコーティングすることで飛距離性能を高めながらも、優れたスピン性能とソフトな打感を高次元で両立することが可能となった。
e-Rubber(eラバー)
豊田合成(株)との共同研究で、スライドリングマテリアルを応用した低消費電力で駆動するゴムシート「e-Rubber」を開発。スライドリングマテリアルの持つ柔軟性、低弾性、低履歴などの特徴を活かし、電磁モーターに代わる次世代の動力源としてロボットの人工筋肉などへの適用を目指し開発検討が進められている。
ブラスト型研磨メディア
サンドブラスト装置の専業メーカー「株式会社不二製作所」との共同開発で、セルムエラストマーをブラスト加工用研磨メディアに使用、 「シリウスZ」として製品化。砥粒を担持する核体にセルムエラストマーを用いることで、研磨メディアがワークに衝突した時にすばやく板状に変形し表面に留まりながら長い距離を研磨、約6倍の研磨力(従来比)と優れた鏡面性を得ることが出来るようになった。
沿革
- 2017年7月 ポリロタキサン配合吸音加工剤「セルム SAミクスチャー」の販売を開始。
- 2017年4月 ポリロタキサン配合微粒子「セルム マイクロ ボール」の販売を開始。
- 2017年3月 豊田合成株式会社と誘電型ソフトアクチュエータと誘電型センサ向けエラストマーに関し独占的ライセンス契約を締結。
- 2016年11月 日本弁理士会主催「第3回知的財産活用表彰」の大賞を受賞。
- 2016年9月 東レ株式会社が当社製品を応用した材料をImPACTで開発、発表。
- 2016年4月 高機能、高耐久性軟質ウレタンフォーム「セルム軟質ウレタンフォーム」を発表。
- 2015年3月 内閣府「革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)」の研究開発機関に選定される。
- 2014年3月 経済産業省「がんばる中小企業・小規模事業者300社」に選定される。
- 2012年11月 株式会社不二製作所との共同開発品「シリウスZ」が発売開始。
- 2011年 6月 セルム エラストマーシリーズを販売開始。
- 2011年 4月 住友精化株式会社と「包括的契約に関する基本合意書」を締結。
- 2011年 1月 本社を研究所に移転統合。
- 2010年 9月 宇部興産株式会社と「包括的契約に関する基本合意書」を締結。
- 2010年 1月 当社技術を応用した塗料がNTTドコモの携帯電話に採用される。
- 2009年 2月 基本特許が欧州で特許査定。
- 2005年 9月 基本特許が中国で特許査定。
- 2005年 8月 東葛テクノプラザに入居、研究所を増床。
- 2005年 3月 アドバンスト・ソフトマテリアルズ株式会社の設立。
【以下、会社設立準備・技術開発期間】
- 2004年 7月 基本特許が米国で特許査定。
- 2003年 9月 基本特許が日本で特許査定。
- 2002年 9月 文部科学省大学発ベンチャー創出支援事業に採択。
- 2000年 4月 TLOによるマーケティング開始。
- 2000年 4月 スライドリング マテリアルの基本特許を出願。
経営者プロフィール
代表取締役社長 壷内幹彦
1994年宮崎大学大学院工学研究科工業化学専攻 博士課程前期修了。
同年協立化学産業(株)入社。研究所に配属、以後研究開発を担当。2011年執行役員、2012年取締役就任。2018年同社取締役退任後、アドバンスト・ソフトマテリアルズ㈱入社、同年10月に取締役に就任。2019年当社代表取締役に就任。
取締役 伊藤耕三
1981年東京大学工学部卒業、1986年東京大学大学院工学系研究科博士課程終了(工学博士)。
同年通商産業省工業技術院繊維高分子材料研究所研究員、1990年同主任研究官、1991年東京大学講師、 1994年同助教授、2003年同教授(現職)、新領域創成科学研究科。2005年-2014年、アドバンスト・ソフトマテリアルズ(株)取締役就任。2014年より内閣府革新的研究開発プログラム(ImPACT) プログラム・マネージャーを務める。2019年アドバンスト・ソフトマテリアルズ(株)取締役就任
(同社Webサイトを基に当社編集)