塗って作れる薄膜太陽電池で、どこでも電源を実現!「ペロブスカイト太陽電池」を開発する京都大学発ベンチャー
株式会社エネコートテクノロジーズ
画像取得先: https://www.enecoat.com/
会社概要・事業内容
会社概要
次世代太陽電池の大本命と言われる「ペロブスカイト太陽電池」の開発に取り組む京都大学発スタートアップ。京都大学化学研究所 若宮研究室で数年来取り組んできた研究シーズを基に、京都大学の全面的なバックアップを受けて2018年1月に設立。
ペロブスカイト太陽電池の材料開発、モジュールの製品化に取り組んでいる。
当社取締役で最高技術責任者の若宮淳志教授は、大学の有機化学の研究で培った材料設計・合成・解析・精製技術などの有機合成化学のノウハウを活かし、2014年にはペロブスカイト半導体の高純度化前駆体材料の開発に成功。
本材料はペロブスカイト太陽電池研究分野における標準材料として世界中で広く利用されている。さらに、本材料の溶液塗布による高品質なペロブスカイト薄膜の作製法の開発にも取り組み、これらの技術により20%を超える光電変換効率を示す太陽電池セルの開発にも成功している。
他の有機系塗布型太陽電池と比べても、ペロブスカイト材料の特性は極めてユニークであり、シリコンやCIGSなどの従来の太陽電池と性能を争う実力を有する。本材料を用いた太陽電池、いわば、「塗って作れる薄膜太陽電池」の実用化により、日常の様々なシーンで多様なデバイスへの「どこでも電源」を実現し、高まる社会のエネルギー需要に応えることが可能である。
環境保護・自然エネルギーの有効利用を目指し、薄膜太陽電池でエネルギーの未来を創る。
事業内容
- ペロブスカイト太陽電池(PSCs)およびその関連材料の製造・販売等
テクノロジー
ペロブスカイト太陽電池の特徴
2010年台に登場した歴史の新しい太陽電池だが、急速に研究が進み、2019年2月現在、発電効率の世界最高記録は24.2%に達している。
塗布による低温プロセスで、図に示すように均一性の高い薄膜構造を作製可能。大面積・大量生産に向いたウェットなプロセスという特徴を生かし、用途や規模に合わせて、将来的にはRoll to Rollによる生産なども進める。
薄膜太陽電池としての特徴
- 高効率24.2%
数ある次世代太陽電池候補材料の中で変換効率20%を最も早く達成。2019年2月時点でセルサイズでの世界最高記録は24.2%。 - 中~低照度でも高効率発電
高照度(例:晴天時)だけなく中照度(例:曇り空)/低照度(例:室内光)下でも相対的に高い発電効率を維持。 - 低コスト/塗布による低温プロセス
塗布による低温プロセスかつ構成層がナノレベルの薄膜であるため製造コストが安い。 - 多用途対応/薄膜・軽量・柔軟性
薄膜であるため重さあたりの発電量が非常に大きく、超薄型ガラスやフィルムを基材にした柔軟性を兼ね備えた軽量太陽電池が実現可能。
産業分野
- 時計・ウェアラブルデバイス
- スマート街頭
- 災害用テント
- 屋上発電
- カーポート
- ZEH/ZEB
- ソーラーカー
- 宇宙開発
- ソーラープレーン・ドローン
経営者プロフィール
代表取締役CEO 川西康義
立命館大学理工学部数学物理学科卒業。
三洋電機入社。アモルファス太陽電池の量産化技術開発、HIT太陽電池のパイロットライン、量産ライン構築に従事。
ポリシリコン材料のTake or Payスキームを構築後、米国オレゴン州にシリコンウエハ製造会社、マレーシアにHIT太陽電池の製造会社を設立。
2018年12月 エネコートテクノロジーズ代表取締役に就任。
代表取締役COO 加藤尚哉
京都大学工学部工業化学科卒業。
内外資投資銀行において不動産・事業再生等多数の投資案件に従事。
独立系PEファンドの創業メンバーとしてバイアウト投資実務を経験。
2016年11月より京都大学インキュベーションプログラムにおいて本スタートアップの事業化推進責任者として活動。2018年1月 エネコートテクノロジーズを共同設立、
代表取締役に就任。
取締役・最高技術責任者 若宮淳志
京都大学大学院工学研究科博士後期課程修了、博士(工学)。
京都大学 化学研究所 教授
材料化学を専門として、JST-COI、ALCA、NEDOなど国プロにてペロブスカイト太陽電池の開発研究を推進。
日本化学会 進歩賞、文部科学大臣表彰 若手科学者賞、野副記念奨励賞など受賞多数。2018年1月 エネコートテクノロジーズを共同設立、取締役に就任。
(同社Webサイトを基に当社編集)