京大発の新素材、パワー半導体「コランダム構造酸化ガリウムα-Ga2O3」。GaO®シリーズとして省エネ革命を実現
株式会社FLOSFIA(フロスフィア)

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会社概要・事業内容
会社概要
注目のパワー半導体「コランダム構造酸化ガリウム(α-Ga2O3)」の開発販売を手掛ける京都大学発ベンチャー。
世界に先駆けて「α-Ga2O」3パワー半導体の事業化に取り組み、GaO®シリーズとしてサンプル出荷を開始。京都大学桂キャンパス近郊にクリーンルームを整備したGaO®デバイス製造拠点を新設し、2019年7月には量産準備としての稼働を開始した。新拠点での製造工程には、ミストドライ®法を含む独自の工程を含む。
ミストドライ®成膜技術を基礎技術として、『パワーデバイス事業』と『成膜ソリューション事業』を展開。
もっとも力を入れているのが「水」から「半導体」を作るイノベーション。ミストドライ®法で作製したGaO™(コランダム構造酸化ガリウム、α-Ga2O3)のパワーデバイス応用により、電源車載動力領域でのイノベーションの実現に貢献。従来、ミストドライ®法で作製した膜は半導体分野には応用が困難と考えられてきたが、これまでに結晶の高品質化(不純物濃度の低減)や大口径化(4インチ化)、デバイス実証試作(600V以上の耐圧を有する超低オン抵抗SBD試作)に成功。これらを実現するために、半導体に適した新規ミストドライ®法「MISTEPITAXY®法」を開発。
GaO™デバイスを用いた高周波領域、各種酸化物材料を用いた光デバイス領域でのイノベーションにも貢献。ミストドライ®法の新規応用展開では、金属酸化物のみならず金属めっき有機膜の成膜やこれらの材料を組み合わせたハイブリッド材料合成を通じ、電子材料電池材料コーティング加飾めっきなどへの展開を目指す。
2019年7月には第三者割当増資を実施し、総額約9.5億円のシリーズDラウンドの資金調達を完了。これにより、当社の資金調達額は累計で約32.1億円となった。
事業内容
- パワーデバイス事業:酸化ガリウム系パワーデバイスの研究、製造、販売
- 成膜ソリューション事業:金属酸化膜/金属膜/有機膜など規材料の販売、成膜加工
テクノロジー
コア技術である「ミストドライ®法」は、ミスト(霧)を活用して、薄膜を原子層レベルで積層していく技術で、京大発のミストCVD法をFLOSFIAが独自に発展させたものである。これまで、半導体特性(特性オン抵抗)で世界最高データを出すなど、半導体デバイスや電子デバイスの高品質化・高機能化を実現してきた。
「ミストドライ®法」とは
ミストドライ®法では、霧(ミスト)状にした溶液を用いて、金属酸化膜や金属膜、有機膜などさまざまな薄膜が成膜できる。
ミストドライ®法では、従来ミストCVD法の適用領域にとどまらず、FLOSFIA独自の技術として、半導体単結晶の高品質化(MISTEPITAXY®法)、金属膜(ミストドライ®めっき法)や有機膜の重合(ミストドライ®重合)などを実現。プロセスや作製した膜に関連する特許出願は250件を超えている(海外出願含む)。
「ミストドライ®」で酸化膜/金属膜/有機膜を成膜
ミストドライ®成膜技術はZnO、SnO2、Al2O3、CuO、SiO2、TiO2、Cr2O3、Ga2O3などの多くの酸化膜を成膜できる。さらに、AuやCu、Ni、Rhまどの金属膜の成膜(ミストドライ®めっき法)、ポリスチレンやPMMAなどの有機膜の成膜(ミストドライ®重合法)も可能。これらを単独あるいは複数組み合わせた技術は、太陽電池や燃料電池、有機デバイスなど様々な用途・産業分野で利用することができる。
「ミストドライ®」の特徴
ミストドライ®法を使えば、ナノメートルオーダーからミクロンオーダー程度までの結晶性膜を、大気圧プロセスで成膜可能。さまざまなモノにさまざまな膜を成膜できる。成膜プロセスのコストダウンやスピードアップなど、研究開発段階でも優位性を持つ。
- 基材へのダメージが少ないプロセス
- 非真空プロセス【全て大気解放系プロセスで高いスループット】
- 安全・安価な原料【ランニングコストの低減】
- 低温プロセスで成膜
- さまざまな膜を成膜可能【金属酸化膜、金属膜、有機膜】
- 大面積化が容易【Roll to Rollも可能】
- ナノレベル制御【多重量子井戸の形成や横方向成長も可能】
ミストドライ®法を用いて、シリコンやサファイア・ガラス等のウエハ上への各種金属酸化膜の成膜や耐食性、電気伝導性、絶縁性等、機能性の付与を目的としたアルミニウム・ステンレスなどの金属、フィルム、ガラス、フィルタ上への各種コーティングも可能。板状に加え、柱状、球状、その他さまざまな形状の部材にコーティングできる。
半導体応用を前提としエピタキシャル成長を行うためのミストドライ®法は、特に、MISTEPITAXY®法と称しており、高品質化のためのさまざまな技術を用いている。
当社の取り組み
京都大学発のミストCVD技術を独自に発展させたミストドライ™法を用いた2つの事業に取り組んでいる。
- パワーデバイス事業
省エネを社会全体で実現するためには、低損失なものを、安く作るしい技術が必要不可欠。α-Ga2O3は京都大学藤田静雄教授によって見出された画期的なパワー半導体材料で、当該半導体を用いたパワーデバイスは電力変換損失を大幅に削減させつつ(最大90%程度)、電力変換回路全体のコストを大幅に低減させる(50%程度)ことが期待されることから、その量産化が嘱望されている。 - 成膜ソリューション事業
独自技術であるミストドライ™法は、高品質で、被覆性が良く、さまざまな薄膜を合成できる画期的な手法。真空装置を使わずに金属酸化膜・金属膜・有機膜を1プロセスで合成することができることも注目されている。応用領域としては、電子デバイス材料、電池材料、コーティング・めっきによる機能性付与(触媒・加飾など)などが期待されており、既に、さまざまな企業の研究開発部門・事業部門に対し、規材料の販売や 成膜加工サービスを開始している。
受賞歴
- 2010年11月 IBTEC入賞(Intel+UC Berkeley Technology Entrepreneurship Challenge)
- 2013年4月 経済産業省「新産業創出のための目利き・支援人材育成事業」採択
- 池田泉州銀行「第9回コンソーシアム研究開発助成金」採択
- 2013年5月 中小企業庁「ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金」採択
- 2013年9月 京都市ベンチャー企業目利き委員会Aランク企業認定
- 2014年2月 公益財団法人新技術開発財団 補助金採択
- 2014年6月 近畿経済産業局「平成26年度戦略的基盤技術高度化支援事業」採択
- 2015年3月 NEDO 平成26年度「エネルギー・環境新技術先導プログラム」採択
- 2016年6月 NEDO 平成28年度「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」採択
- 2017年1月 NEDO 平成28年度「エネルギー・環境新技術先導プログラム」採択
- 2017年3月 一般財団法人電子情報技術産業協会(JEITA)主催「第2回ベンチャー賞」受賞
- 2017年4月 三菱東京UFJ銀行主催「第4回Rise Up Festa」にて「ロボット・先端技術部門 優秀賞」受賞
- 2017年8月 科学技術振興機構(JST)・新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)主催「大学発ベンチャー表彰2017」にて「新エネルギー・作業技術総合開発機構理事長賞」受賞
- 2018年6月 経済産業省の「J-startup企業」に選出
- 2018年11月 内閣府「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」(第2期)採択
- 2019年2月 「Japan Venture Awards 2019」にて「経済産業大臣賞」を受賞
- 2019年4月 平成31年度「知財功労賞」経済産業大臣表彰を受賞
経営者プロフィール
代表取締役CEO 人羅俊実
創業者。京都大学工学部卒業。半導体領域のシリアルアントレプレナーで、研究開発・製造品質管理・営業・マーケティング・財務経理・契約など幅広い業務を自身で経験。
取締役CTO 四戸孝
パワーデバイスエキスパート。大手半導体メーカーでIGBTやSiC開発に取組み、初期研究から事業化まで経験。新規半導体材料の国際標準化の取組みでは日本代表も歴任。
(同社Webサイトを基に当社編集)