九州大学に唯一存在する近交系カイコを利用し、難発現タンパク質を医薬品・診断薬・試薬の開発を行うベンチャー
KAICO株式会社
画像取得先: http://www.kaicoltd.jp/
会社概要・事業内容
会社概要
九州大学農学研究院 日下部教授(昆虫分子遺伝学)のカイコを用いたタンパク質産生技術に、工学研究院神谷教授(生物工学・酵素工学・生体分子工学)のタンパク質機能亢進技術を応用し、難発現タンパク質を医薬品・診断薬・試薬を開発することを目的に設立された九州大学発ベンチャー。
日本の強みを持ったカイコ・バキュロウイルス発現によるタンパク質開発を、世界に展開することを目指す。
九州大学のカイコによる組換えタンパク質の生産
九州大学は文部科学省のナショナルバイオリソースプロジェクトにおいてカイコ系統保存機関であり、本機関にだけ唯一存在する系統など豊富なカイコ系統を保持している。
多くの系統は、半世紀以上の交配記録(血統書:系図)を保管しており、近交系として確立している。これは宿主としての品質(均一性、安定性)の担保が得られる。
当社は九州大学に唯一存在する近交系カイコを利用しカイコ-バキュロウイルス発現系により、目的のタンパク質を生産する。
多くの企業研究者のパートナーになることを目指して
当社は、他の発現系では生産し難いものや発現量が少ないものを対象に絞り、カイコでの組換えタンパク質の量産化を目指す。カイコ発現系は世界的にカイコの入手と飼育ノウハウの観点からアクセスし難いものとなっているが、当社の生産プラットフォームを企業や研究者に身近・手軽に利用してもらい、多くの開発パートナーと新しい医薬品・診断薬・試薬の開発を進めて行くことを目指している。
主なプロダクト
PNGase-F
N結合型糖タンパク質から高マンノース、ハイブリッド型オリゴ糖、複合型オリゴ糖の一番内側のGlucNAc残基とアスパラギン残基の間を切断するアミダーゼ。
bFGF(塩基性繊維芽細胞成長因子)
ES/iPS細胞培養時に未分化性を維持させながら、細胞を増殖させるために必須の因子で、各種幹細胞の維持培養に使用される。
NucA
エンドヌクレアーゼであり、あらゆる形状のDNAおよびRNA(一本鎖, 二本鎖, 直鎖状, 環状)に作用し、2~5 塩基対からなる小さいオリゴヌクレオチドに分解するが、タンパク質分解活性は有さない。
受託発現サービス
カイコーバキュロウイルス発現系を用いたタンパク質受託発現。
経営者プロフィール
代表取締役社長 大和建太
(同社Webサイトを基に当社編集)