「LassoGraft Technology®」技術で、次世代多機能バイオ医薬品の開発を目指す東大×阪大発創薬ベンチャー
ミラバイオロジクス株式会社
画像取得先: https://www.mirabiologics.com/
会社概要・事業内容
会社概要
独自の新概念に基づいた技術により、次世代多機能バイオ医薬品(ネオバイオロジクス) の開発を通じて、人類の医療に貢献するベンチャー。
「LassoGraft Technology®」をコア技術とし、新たなモダリティのバイオ医薬品を開発することで、アンメット・メディカル・ニーズの解決、希少疾病分野における治療方法の充足、高額医療問題への解決法の提案に取り組んでいる。
当社は大阪大学蛋白質研究所、高木淳一教授と東京大学理学系研究科、菅裕明教授の共同研究の成果を活用する事業体としてスタート。二人の共同研究から得られた“次世代多機能バイオ医薬品(ネオバイオロジクス)” をこれまでに類がないほどの短期間で作成する技術”を当社の基本技術とし、これを「LassoGraft Technology®」と命名した。
Laasoペプチドがグラフトされたタンパク質「Addbody®」と「Mirabody®」という2つの基本構造からビジネス展開を始めているが、本技術は抗体に限らず様々なタンパク質(酵素、サイトカイン、あるいはウイルスまで)への展開が可能であるため、今後も対象タンパク質の拡充に関する基礎研究を継続していく。
当社は、「LassoGraft Technology®」の基本技術である2件の出願特許について、出願人の国立大学法人東京大学および国立大学法人大阪大学と独占ライセンス契約を2018年8月末に締結。続いてLassoペプチドの探索に利用する、RaPIDシステム技術(一部)についてペプチドリーム株式会社とサブライセンス契約を2018年12月下旬に締結。
テクノロジー
「LassoGraft Technology®」
高木淳一教授のタンパク質に関する広い知見を生かして、ペプチドリーム社の創業者でもある(現在は同社の社外取締役を退任)菅裕明教授が開発した技術RaPIDシステム(ペプチドリーム社ではPDPSと呼称)から得られる天然アミノ酸のみで構成された環状ペプチド情報をタンパク質上のループ内にグラフトすることで、「任意のタンパク質に、新しく標的結合能力を加えられる」独自技術。「LassoGraft Technology®」のLassoとは、投げ縄の意味で、強い結合親和性を持つ環状ペプチドを投げ縄に見立てたネーミングである。
<特徴>
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- 目的物の創製が非常に早い(標準3~4ヶ月)
- 目的物の土台となるタンパク質に、Lassoペプチドを数多く付加できる(同一配列を複数、または別の配列を同時に)
- 天然物とかけ離れた複雑なタンパク質工学の産物ではないので、最終製品の生産性が高く非常にコスト効率が高く、また免疫原性も低いことが予想される
事業概要
当社の「LassoGraft Technology®」技術の特徴は、疾患の治療標的に対して、医薬品として初期の活性目標を満たす複数の候補バイオ化合物を、数ヶ月で取得できること。この特徴を最大限活用することで、様々な事業展開が可能である。
その一つが、研究開発型の製薬企業とのコラボレーション。企業が注目していたり、様々な理由で、自社での創薬研究として取り上げられなかったりするバイオ医薬品創薬の標的に対して、企業の望む開発候補化合物を数ヶ月で提供することができる。
そのほか、企業や(大学)研究者が研究している疾患メカニズムの解明や証明に必要な製品を提供し、研究進捗の加速支援も実施。
また、社内においても希少疾患等、「LassoGraft Technology®」の特徴を活かせる疾患領域での事業展開をすすめ、開発のスピードによって初めて可能になる創薬を目指している。
事業内容
LassoGraft Technology® によって得られる次世代多機能バイオ医薬品であるネオバイオロジクスとして、「Addbody®」と「Mirabody®」の2つの基本構造から始めることをパートナーに提唱している。
- 「Addbody®」
既存の抗体に、強い結合親和性を持つ環状ペプチドの配列をLassoGraftした構造を有する。つまり、大手製薬企業が既に持っている抗体医薬品やその開発候補化合物に、第二、第三の機能性を付加したい場合に特に有用である。 - 「Mirabody®」
抗体のFc部分を基本骨格に、強い結合親和性を持つ環状ペプチド配列をLassoGraftした構造を有する。標的タンパク質に強い結合能を有する環状ペプチド(一種類とは限らない)を複数箇所に付加することができるため、結合親和性を増強したり、多重結合性を持たせたりすることが可能。つまり、「Mirabody®」はベースとなる既存の抗体が不要であるため、新規の標的、あるいはその組合せに対する創薬を目指す場合に特に有用である。
経営者プロフィール
代表取締役社長 加藤益弘
(同社Webサイトを基に当社編集)