世界初の独自技術により、低製造コストで長期保存可能な、人の成熟心筋細胞に近いiPS細胞由来心筋細胞を提供
株式会社マイオリッジ
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会社概要・事業内容
会社概要
京都大学の南一成研究室の研究成果を基に設立されたベンチャー企業。京都大学発ベンチャーとして、iPS細胞の実用化の一翼を担うとともに、事業を通じて創薬研究の加速に貢献することを目指している。
当社が製造するiPS細胞由来心筋細胞は、培養にタンパク質を使用しないため製造コストが低く、ロット間均一性に優れ、かつヒトの成熟心筋細胞に近い性質を持つ。また、独自の細胞凍結技術により長期保存性に優れているという特徴がある。
独自に開発したその心筋細胞を新たな創薬ツールに加工し、大学研究室や製薬企業に代表されるユーザーへ、細胞生存率の高い新規の凍結保存法を用いて安定供給している。
テクノロジー
- 高い成熟度・高純度の心筋細胞
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- 世界初、国際特許取得済み・独自プロテインフリー分化誘導法
当社の心筋細胞は、プロテインフリー分化誘導法を用いて作製するため、高価なタンパク質を必要とせず、心筋分化培養液について大きなコストダウンが見込める。 - 高い成熟度・高純度の心筋細胞
比較的成熟した心筋細胞を作製することに成功しており、独自の三次元大量培養技術により性質の安定した高純度の心筋細胞を生産することが可能。
- 世界初、国際特許取得済み・独自プロテインフリー分化誘導法
- 優れた薬剤応答性
当社の心筋細胞は成熟心筋特有の薬剤応答性を示す。従来は検出が難しかった薬剤応答を検出することが可能。 - 生着率の高い心筋細胞
当社の心筋細胞はラットへの移植実験の結果非常に生着率の高い心筋細胞であることが分かっている。
プロダクト
CarmyA(ヒトiPS細胞由来心筋細胞、サルiPS細胞由来心筋細胞)
心筋細胞分化誘導時にサイトカイン、成長因子、動物血清成分等のタンパク質を使わないケミカルディファインド培養であるため、安定した細胞生産が可能で、比較的高い心筋純度(>90%)が得られている。細胞の電気的性質に重要なHERGやKCNQ1、Kir2.1といった各種イオンチャネルの発現量が安定して高く、実際の心臓における発現レベルに近くなっている。筋繊維が発達した明瞭なサルコメア構造や、心筋細胞の内9割が心室筋細胞であることが確認されている。蛍光解析に有用なGGaMP遺伝子導入心筋細胞の提供も可能。
心筋動画運動・輝度解析用ソフトウェア
心筋細胞のモーション解析と蛍光解析が可能なエルピクセル株式会社と共同開発したソフトウェア。
細胞加工受託
- シート
新しく開発したシート化技術を用いて、心筋細胞をシート状に組織化する。 - マルチウェルプレート
マルチウェルプレート(96well等)にiPS細胞由来心筋細胞を球状に組織化した状態で提供する。マルチウェルプレートのまま凍結輸送するため、そのまま薬剤応答の検出に使用可能。 - ファイバー
東京大学発ベンチャー企業である株式会社セルファイバの技術により、ファイバー状に組織化する。
分化誘導受託
「ゲノム編集心疾患モデルiPS細胞由来心筋細胞」
疾患研究用にゲノム編集によるカスタムモデルiPS細胞を作製。その細胞ごとにプロテインフリーでの分化誘導法を最適化し、isogenic コントロールとともに提供。
沿革
- 2018年6月 神戸ポートアイランドに拠点設立(バイエル薬品CoLaborator神戸内)
- 2018年4月 本格販売開始
- 2018年3月 生産拡大、分化誘導受託サービス開始
- 2017年10月 京都市ベンチャー企業目利き委員会にてAランク企業認定
- 2017年8月 研究室を京都大学医薬系総合研究棟に移転
- 2017年5月 ヒトiPS細胞応用安全性評価コンソーシアムに参加/心筋細胞のサンプル提供開始
- 2017年4月 Beyond Next Ventures株式会社から第三者割当増資を実施
- 2017年1月 NEDO SUIに採択決定
- 2016年9月 「TECHPLANTER第3回バイオテックグランプリ」最優秀賞
- 2016年8月 南氏の10年来のiPS細胞研究の実用化を目標に会社設立
経営者プロフィール
代表取締役社長 牧田直大
京都大学在学中より南一成研究室で研究支援員として活動。京都大学大学院在学中に南一成の技術を社会実装する為に株式会社マイオリッジを創業。
技術顧問 南一成
京都大学理学部で博士課程を修了後、基幹研究所で研究員を務め、2016年に京都大学iCeMS在籍中に株式会社マイオリッジを創業、同技術顧問に就任。現在は大阪大学医学系研究科特任准教授。
(同社Webサイトおよび同社PR TIMES掲載情報を基に当社編集)