ヒトの老化を早める物質「毒性AGEs」に着目して糖尿病網膜症の治療薬の開発を行う熊本大学発創薬ベンチャー
Bloom Technology株式会社
画像取得先: https://bloom-technology.co.jp/
会社概要・事業内容
会社概要
国内の基礎研究成果から世界に通用する独創的な医薬品の開発を目指す熊本大学発創薬ベンチャー。糖尿病網膜症の治療薬(抗体医薬品)の開発を行っている。
2014年11月設立以来、AGEs(Advanced Glycation End-products:蛋白質のアミノ基と糖が反応して作り出された最終糖化産物)の中で唯一細胞に障害をもたらすことが確認されたグリセルアルデヒドに由来した毒性AGEs(Toxic AGE:TAGE)に着目して、研究開発を進行。
糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、アルツハイマー病、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)等の疾患に関わることが知られるTAGEの構造を解明し、TAGEを特異的に捉える「モノクローナル抗体」を開発して、特許を出願し、糖尿病網膜症との関わりを明らかにした。
2018年2月、ニッセイ・キャピタル株式会社を割当先とする2億円の第三者割当増資を実施。
2019年3月、富田薬品株式会社およびKFG地域企業応援ファンドを引受先として、総額1億3,000万円の第三者割当増資を実施。
「AGEs」「TAGE(Toxic-AGEs)」について
「AGEs」とは、タンパク質と糖の非酵素的糖付加反応(メイラード反応)により産生する「終末糖化産物」と言われるもので、体内に沈着、蓄積されヒトの老化を早める物質。アンチエイジングなど美容分野で、肌のシミやシワを増やす、肌のハリを失わせる原因物質とされているが、当社は、ヒトの健康に有害な様々な疾患の原因物質として、AGEsに注目し研究を続けている。
ヒトの体内では色々な経路から様々なAGEsが生成することが報告されているが、なかでも、Glycer-AGEsは他の経路から生成してくる様々なAGEsと異なり、非常に強い細胞障害性を示すことから、他のAGEsと区別する意味合いで「Toxic-AGEs (TAGE) 」とも呼ばれている。
この、特に毒性と言われる「TAGE(Toxic-AGEs)」は、血管病変、アルツハイマー病、がん、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、不妊症に関連していると報告されていることから、ヒトの血液中のTAGE濃度を調べ、さらに、TAGEが原因となる疾患の治療薬の開発を推進している。
また近年、血中TAGEが生活習慣病の予防、早期診断、治療の有効性を評価する有用なバイオマーカーとしての可能性を秘めていることも提唱されている。
事業内容
- 創薬開発事業
- Toxic-AGEsに関する医薬品開発
- 研究支援事業
- Toxic-AGEsの受託サービス
提供サービス
Toxic-AGEsに関する受託サービス
- 血中のToxic-AGEsの測定
老化やさまざまな病気に関わりが深い物質とされるToxic-AGEsの血中濃度を測定する受託サービスを実施。 - 抗糖化作用に関するスクリーニング(in vitro試験)Toxic-AGEs形成阻害試験
- 動物試験(in vitro試験)
マウスを用いた試験
経営者プロフィール
代表取締役 齊藤英樹
中外製薬株式会社にてエリスロポエチンのライフサイクルマネジメントを担当、造血作用外の研究を探求し発展させるために退社後独立。
1983年 中外製薬株式会社 入社
2002年 同社 プロダクトマネージャー就任
2015年 当社 代表取締役社長 就任(現任)
(同社Webサイトを基に当社編集)