難治疾患の治療法開発を目指し、独自技術を用いて新規エピジェネティック創薬を行う大阪大・弘前大発バイオ企業
株式会社Epigeneron
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会社概要・事業内容
会社概要
藤井穂高研究室(弘前大学大学院医学研究科/医学部医学科 ゲノム生化学講座)の大学における研究成果を社会に還元すべく、2015年4月に設立した大阪大学及び弘前大学発バイオベンチャー。
難治疾患の治療法の開発を目指して、新規エピジェネティック創薬及びその受託サービス等の提供等を行っている。癌や中枢神経系疾患などの難治疾患に苦しむ患者に、当社独自の創薬標的同定系を用いて開発した治療薬を届けることを目指す。
エピジェネティック制御、エピジェネティック創薬とは?
「エピジェネティック制御」とは、DNA塩基配列の変化を伴わず、細胞分裂後も娘細胞に受け継がれる形質の維持もしくは変化を調整する仕組みのこと。エピジェネティック制御は、遺伝子発現調節等を介して、発生・細胞分化・細胞機能発現等、生命現象の根幹に関与している。
近年、エピジェネティック制御が、難治疾患の病態発現にも関与していることが明らかとなってきた。疾患におけるエピジェネティック制御の異常を正常化させることを狙う薬剤を創生することが、「エピジェネティック創薬」である。
当社は、藤井穂高研究室が開発した「遺伝子座特異的クロマチン免疫沈降法(遺伝子座特異的ChIP法)」を用いて、転写やエピジェネティック制御をはじめとするゲノム機能の発現制御機構を解明し、その異常が原因の一つとして発症する難治疾患の治療薬の開発やその支援を行っている。
「遺伝子座特異的ChIP法」は、DNA結合分子の結合を保持したまま特定のゲノム領域を生化学的に単離して結合分子を同定する技術。この技術は、特定のゲノム領域に、実際の細胞内で結合している分子を同定することができる革新的な技術であり、癌、線維化、中枢神経系疾患、感染症等、遺伝子発現制御の異常や病原遺伝子の発現によって引き起こされる幅広い難治疾患の治療薬の標的分子の探索に利用されている。エピジェネティック創薬やエンハンサー創薬等を含んだ核内イベントを対象とする創薬領域に革新をもたらし、多くの難治疾患の新しい治療法の開発に貢献することが期待されている。加えて、分子生物学を基盤とした新規バイオテクノロジーの開発を積極的に進めている。
事業内容
- 創薬及び創薬支援業務の実施と創薬関連情報の販売
- 研究用試薬、診断薬、化学工業薬品の製造、販売並びに輸出入
- 研究用機器の製造、販売並びに輸出入
- 知的所有権の移転業務
- 前各号に附帯または関連する一切の業務
エピジェネティック創薬標的探索受託サービス
「遺伝子座特異的ChIP法」を用いて、病因遺伝子特異的なエピジェネティック制御因子の同定を実施。遺伝子発現の異常は、疾患の病態発現に必須と考えられることから、遺伝子座特異的ChIP法を用いた創薬標的探索は、多くの疾患が対象となる。疾患例として、癌、線維症(肺、腎臓、肝臓など)、中枢神経系疾患(うつ病、自閉症など)、アルツハイマー型認知症、難治性感染症などが挙げられる。
エピジェネティック創薬(自社創薬)
当社独自の研究開発活動として、種々の難治性疾患に対する有益な医薬品の創出を目指して、低分子化合物を含めたシード化合物の探索活動を実施。
他、生命科学研究や創薬のための新規技術開発を積極的に進めている。
経営者プロフィール
代表取締役社長 藤井穂高
(同社Webサイト、同社Wantedlyおよび同社PR TIMES掲載情報を基に当社編集)