建設業の生産性を向上させるクラウドサービス「フォトラクション」を提供する建設×ITスタートアップ
株式会社フォトラクション
画像取得先: http://concores.co.jp/
会社概要・事業内容
会社概要
「建設の世界を限りなくスマートにする」をビジョンに掲げ、話題のConstruction Tech(建設×IT)サービスを提供するスタートアップ。
建設業の生産性を向上させるクラウドサービス「Photoruction(フォトラクション)」及び産業特化のクラウドAI「AozCloud(アオズクラウド)」の開発・運営を行っている。
東証1部の大手建設会社に全社導入されていたり、都市を代表するプロジェクトの工事現場を支えていたりと急成長中のサービス。
また、多くのメディアでの露出や、様々な賞を受賞するなど建設業のみならずテクノロジー業界からも注目を集めている。
2019年2月、コンコアーズ株式会社より株式会社フォトラクションに社名変更。
事業内容
- インターネットサービスの企画・開発・運営
提供サービス
建築・土木の生産支援クラウド「Photoruction」
建築や土木の生産過程で必要な写真や図面をはじめとするデータを効率良く管理し、データ整理や資料作成など現場業務の効率化を目的としたクラウドサービス。工事黒板の電子化や図面の高速表示、写真台帳の自動作成、パンチリストなど業界特化の機能を豊富に用意することで、技術者が本質的な仕事にだけ携われる環境を提供。また「Photoruction」に溜まったデータは他システムからいつでも取り出せるため、導入企業は建設生産のデータベースとして活用している。今後はAIを取り入れることで建設業の生産性向上にさらに貢献していく。
『Photoruction』は、ゼネコンの工事現場をはじめ、より専門的な工事を行うサブコン、デザインを担当とする設計事務所、戸建てやリフォームを中心とする工務店、その他不動産事業者等の幅広い分野で導入され、累計の利用現場数は、大成建設株式会社、矢作建設工業株式会社、シービーアールイー株式会社、株式会社ラックランドなどの大手を含めて25,000件に到達。
建設業の生産プロセスには、建物を建てる「施工」フェーズに加え、要件定義や基本設計を行う「設計」フェーズ、積算・見積・発注を行う「調達」フェーズが存在するが、これまで『Photoruction』では、「施工」フェーズに注力し、機能提供してきた。
その結果、データ整理や資料作成といった煩雑になりがちな業務において、大幅な業務時間削減・生産性の大幅な向上※を実現。
※:資料管理コストが1/10に削減、従業員一人当たり月9時間以上の業務時間削減など(共に実測値)
図面解析のクラウド型AIエンジン「aoz cloud(アオズクラウド)」
「aoz cloud(アオズクラウド)」は2次元図面に記載された情報を読み取り、解釈することの出来る人工知能を搭載したクラウド型のAIエンジン。現在はβテストを実施中。
【aoz cloudのTechnology】
- Computer Vision
図面を画像に変換して扱うことで、コンピューターの視点からの分析を可能に。 - Deep Learning
線が複雑に交差する中からオブジェクト認識させるため、イチから構築した深層学習モデルを使用。 - Tiling Algorithm
小さな物体も高精度で検出させるために、正方形の細切れ画像を用いる独自アルゴリズムを活用。 - OCR & NLP
文字認識に加え自然言語処理を用いて人間のように状況を解釈することで、有効な情報に変換することが可能。
【aoz cloudのGoal】
- BIM・CIMモデル自動生成
図面からオブジェクトと高さ情報を検出することで、情報付きの3次元モデルを自動的に生成することが可能となる。既存建設物のBIM・CIM化に掛かる莫大なコストを削減し、効率的なストックマネジメントに貢献する。 - 数量拾い業務支援
面積や体積などを自動算出することが可能となる。CADや積算ソフトからの算出とは異なり、人間と同じよう形状から判断するため余分な作業も発生しない。後工程に割く時間を増やすことで建築の付加価値を向上させる。 - 帳票類の自動作成
複数の図面をルールに基づき分析することで、配筋検査で使用する野帳など人間が図面を読み取り作成している帳票類の自動作成を可能とする。技術と関係のない業務を大幅に効率化することで、労働環境の改善が可能に。
今後の展開
建設産業では、現場業務や報告書作成が未だに紙を中心に行われており、非効率な部分が多いだけでなく、生産情報をデータとして蓄積・活用していくことが難しいといった現状がある。また、従事者全体の高齢化に加え、今後10年間で100万人以上の労働者不足が予測されており、上流工程を含むプロセス全体においてデータを用いたナレッジの伝承や生産性向上が非常に重要な課題となっている。
当社は、これまで注力してきた「施工」フェーズだけでなく、上流工程である「設計」や「調達」のフェーズへと対応可能な業務範囲を拡大し、「施工支援クラウド」「設計支援クラウド」「調達支援クラウド」の3サービスを展開していく。加えて、当社が開発した産業特化AIエンジンである『Aoz Cloud (アオズクラウド)』による蓄積したデータの活用、各種外部サービスと連携等と併せてサービス全体の充実を図っていくことで、建設業の課題解決やデジタル化に貢献していく。
主なメディア掲載
Tech Crunch、The BRIDGE、TECH IN ASIA、
日刊建設工業新聞、建設通信新聞、日経コンストラクション、
リフォーム産業新聞、施工の神様
受賞歴
- EY Innovative Startup 2018 Construction分野受賞
- Tec hCrunch StartupBattle ファイナリスト選出
- IVS Launch Pad 入賞
- Global Geek Audition 最優秀賞
経営者プロフィール
代表取締役・CEO 中島貴春
1988年生まれ。2013年に芝浦工業大学大学院建設工学修士課程を修了し、株式会社竹中工務店に入社。大規模建築の現場監督に従事した後、建設現場で使うシステムの企画・開発およびBIM推進を行う。2016年3月にCONCORE’S株式会社を設立。
取締役・開発マネージャー 藤田雄太
1987年生まれ。2010年に株式会社YSLソリューションに入社し幅広い業種の基幹システム開発に携わる。2012年に建設業向けサービスの開発をして以来、一貫して建設現場で活用するITツールの開発に従事。2016年3月にCONCORE’S株式会社を設立。
(同社Webサイト、同社Wantedlyおよび同社PR TIMES掲載情報を基に当社編集)