災害レスキューなど世界中の特殊環境で活躍するロボットの開発・製造を行う会社。福島第一原発の調査にも採用
株式会社ハイボット
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会社概要・事業内容
会社概要
最先端のロボットソリューションを活用し、業務用・産業用アプリケーション、災害レスキュー、非破壊検査、監視システム等、世界中の特殊環境で活躍するロボットの開発・製造を行う、東京工業大学発 研究開発型ベンチャー。
2004年に、東京工業大学の広瀬茂男教授、ミケレ・グアラニエリ、パウロ・デベネストを中心とする創業メンバーによって、先端科学技術の産業応用を目的に設立。当社は長年にわたり、「Dirty(危険)」、「Demanding(過酷)」、「Demeaning(重労働)」といった極限環境におけるロボット技術の開発に特化してきた。危険な場所や人が行けない場所での作業をロボットへ代替する必要性を強く感じ、配管点検、社会インフラ・産業インフラの維持管理、橋梁の劣化予測、原子力発電所、災害救助など数多くのソリューションを提供している。
東京工業大学の研究室から創業したハイボットは現在も先端的な学問領域と強いつながりを持っており、加えて、他のロボット企業に先んじた多くのサービスロボットとフィールドワークの経験が強み当社の強みである。
主要事業
- 新機能生成マシンのコンセプト設計とそのハードウェア・ソフトウェア開発
- 極限作業ロボットの設計と開発
- メカトロ要素開発:AC-DCモータドライバ、組込型マイクロコンピュータ、通信ユニット、新規動力伝達機構ユニット等
事例
福島第一原発内を走行する「ACM-R4.3」
「ACM-R4.3」はマルチ検査ロボットACM-R4.2の改造版で、2017年3月、東京電力福島第一原子力発電所の調査で採用。この蛇型ロボットは細身で多くの関節と車輪を持ち、体をくねらせるようにして狭く平ではない空間に進入する。頭部に高精細カメラを、後尾部にナビゲーション用カメラを搭載。小型に設計されたため、損傷した建屋内のデブリの中を移動することができ、詳細な画像や映像を取得した。使用済み燃料プールの端や原子炉格納容器付近など人の近づくことができない場所に到達。「ACM-R4.3」が取得したデータは、建屋内部の状況を把握し、廃炉への次のステップを計画するために使用されている。
福島第一原発を調査する「CT-Arm」
「CT-Arm」はワイヤ干渉駆動型多関節3次元アーム。モータは全てベースに配置されているため、関節部は軽量であることができ、より少ないエネルギーでアームを動かすことが可能。複数の関節がついているため、狭い空間をナビゲートすることもできる。
2011年の福島原発事故で壊滅的な損傷を受けた原子炉建屋。1号機建屋はデブリの問題で内部の状況把握もままならない状況が続いている。損傷した構造物を取り除くとそれが建屋内に残っている使用済み核燃料の上に落下する恐れがあるためだ。デブリの詳細な3Dマップを作成することが必要だが、高い放射線レベルのため建屋内部に人が入ることができない。そこで「CT-Arm」の出番である。「CT-Arm」は2016年11月、清水建設(株)と共同で、原子炉建屋のデブリの中に入り、歪んだ金属フレーム間を移動し、様々な角度から高解像度の静止画や動画を撮影。「CT-Arm」が収集した貴重な情報を元に、原子炉建屋内の詳細な3Dモデルが作製され、この情報により、安全かつ安定した方法でデブリの除去と原子炉建屋の解体を進めるための道を切り開くことが可能になった。
納入実績
関西電力株式会社、株式会社ジェイ・パワーシステムズ、東京精機株式会社、富士警備保障株式会社、独立行政法人産業技術総合研究所、国立大学法人東京工業大学、国立大学法人広島大学、国立大学法人電気通信大学、国立大学法人東北大学、ほか
受賞歴
- IEEE 2017 Inaba Technical Award for Innovation Leading to Production
- 世界経済フォーラム Technology Pioneers 2015
- 第3回 BTMUビジネスサポートプログラム ロボット先端技術部門 最優秀賞
- 東京工業大学-蔵前ベンチャー賞 2015
- 日本経済産業省 2010 ロボット賞
- Nomination as finalist for the IFR IERA AWARD
経営者プロフィール
共同創業者・会長 広瀬茂男
共同創業者・代表取締役 Michele Guarnieri(ミケレ・グアラニエリ)
共同創業者・執行役員(プロジェクト管理) Paulo Debenest(パウロ・デベネスト)
(同社Webサイトおよび同社Wantedly掲載情報を基に当社編集)