人に最も近い「手」の動作が可能!独自開発のアバターロボット「MELTANT-α(メルタント・アルファ)」
株式会社メルティンMMI
画像取得先: https://www.meltin.jp/
会社概要・事業内容
会社概要
最先端の生体信号技術とロボット技術で構成されるサイボーグ技術を実現することで身体の限界を突破し、全ての人が何不自由なく幸せに生活できる世界を創ることを目指す、電気通信大学発 研究開発型ベンチャー。
生体信号を利用した医療機器やアバターロボットなどの研究開発・事業化を通して、生体信号処理技術やロボット技術を高度に発展させ、義体やBrain Machine Interface(脳と機械をつなぐインターフェース)に代表されるサイボーグ技術の実現を目指す。サイボーグ技術によって身体による限界から人類を開放し、誰もが自分自身に合った活躍ができる世界を創ることをビジョンとして掲げる。
2018年3月には、独自開発のアバターロボット「MELTANT-α(メルタント・アルファ)」を発表。
このコア技術の「サイボーグ技術」を活用したアバターロボットのコンセプトモデル「MELTANT-α」及び医療機器を開発すると共に、積極的なマーケティング活動を実施してきた。
当社のコア技術である「サイボーグ技術」は、生体信号を読み取り人間の身体動作や意図を忠実に解析する「生体信号処理技術」と、それらを実空間で忠実に再現するための「ロボット機構制御技術」を融合させた技術。当社はこのサイボーグ技術を活用したプロダクトの開発と実用化を推進することで、サイボーグ技術を高度に発展させ、実用性の高いBrain Machine Interface※1や義体※2の実現を目指す。
当社のサイボーグ技術の最終フェーズにおいては、ヒトと機械は溶け合い融合し、特に意識せずとも、あたかも元の自分の体であったかのように機械やロボットを動かすことができるようになり、人々は自由に自分の体を選択し、補完・拡張・遠隔化することが可能となる。当社は、サイボーグ技術の高度化と実用化によって身体の限界を突破し、全ての人が何不自由なく幸せに生活できる世界を創ることを目指す。
※1 脳や神経と、機械やコンピューターを接続するためのインターフェース
※2 ロボット工学や生体組織工学などを活用した人工身体
事業内容
生体信号・ロボット技術を利用したサイボーグ事業
- 医療・福祉機器の研究開発・事業化
- アバターロボットの研究開発・事業化
- 身体拡張デバイスの研究開発・事業化
CORE TECHNOLOGY
生体信号処理
「身体の動作を忠実に解析する処理技術」
生体信号とは、神経を通して人間の四肢を動かし、五感を脳に伝えている電気信号のこと。サイボーグを動かすには、この生体信号を取得して処理する必要があるが、従来技術の処理精度では、人の多彩な動きに対応できなかった。しかし、独自の生体信号処理アルゴリズムを開発した当社は、多彩な生体信号を高精度かつリアルタイムで解析することが可能に。「グー」や「パー」を正確に識別することはもちろん、チョキや親指を曲げる、延ばす、手首をそらすといった12種類の複雑な動作を瞬時に行える。さらに隣接した筋肉の動きをも分類し、「手首をひねりながら手指を曲げる」といった複合的な動作も識別し、特別な訓練なしで直感的にサイボーグを操作することができる。
ロボット機構制御
「生体模倣にヒント、世界で最も人間に近い技術 」
当社のロボットハンドの動作機構は、人間の身体、特に筋肉と腱の構造を徹底的にリサーチし、人の手を“生物模倣”することから着想を得ている。MELTINは人間の手の複雑な動作をワイヤー駆動によって再現。卵を割らないようにつかみ、ラップトップをつまんで持ち上げる、中身の入った500ミリリットルのペットボトルをシェイクするほどのパワーといった、従来のロボットでは考えられない力強く繊細な動きが、人の手と同等のサイズ・重量で可能になった。この技術は世界でもまだ前例がなく、ヒトの手が持つ繊細さ、器用さ、強度といった特徴を、ひとつの手で構成できる、まったく新しいテクノロジーである。
境界線を超えるサイボーグ「MELTANT-α(メルタント・アルファ)」
当社が開発したサイボーグコンセプトモデル「MELTANT-α」。
人に最も近い「手」の動作が可能なこのモデルは、柔軟性、スピード、パワー、耐久性、緻密さ、などの複雑な動きができるため、世界のどこへでも進出可能な「もうひとつの身体」となる。
リアルタイム性
人の手の動きを模倣し、ロボットの常識を打破。
操作者の入力に反応するまでの時間は約0.02秒。この動作速度であれば、人がもっとも素早く手指を動かした際の動きを十分に追従することが可能だ。MELTANT-αは、人の手の動作速度を実用レベルで再現可能な、唯一のロボットハンドを持つ。
パワー
小型で軽量、しかし強力。
人の手の機構を模倣したワイヤー駆動による制御機構により、MELTANT-αは、片手でも500ミリリットルペットボトル飲料を振り回したり、4キログラム以上の物体を支えたりできるなどの強力な動作が可能。さらにこの技術はアクチュエータに依存しないため、油圧など他のアクチュエータと組み合わせることが可能です。
繊細な動き
人のように強く、しなやかな手。
従来の技術ではワイヤー駆動は制御が難しく、人の手のような繊細な動きを再現することは困難だった。しかしMELTANT-αは独自の制御アルゴリズムによって、卵を割らずに持ち、花びらをそっとつまむようなしなやかな動作を行うことができる。
耐久性
過酷な環境にも適応する、ロバストな設計。
MELTANT-αは独自の駆動メカニズムによって、アクチュエータ負荷を分散。万が一の故障の際も、他の正常なアクチュエータで動作を補うことがきるロバスト性を持つ。また、伸縮性を持つ高分子系ワイヤを採用したことで、耐衝撃性能も高い。
遠隔操作性
18,900キロ先の世界で生きる、もうひとつの“身体”。
情報を送信するアルゴリズムを最適化することで、ボストンから日本のデータサーバを経由し、アブダビにあるロボットハンドを、遅延ストレスを感じさせることなく動作させることに成功。
ハプティクス
新しい世界を感じよう。
モノをさわった時に感じる反力感覚である「力覚」は、手を使って作業を行う際に、その力加減を決定する上で重要な情報をもたらしてくれる。MELTANT-αはこの「力覚」を操作者にフィードバックする機能を実装。現在は圧力のフィードバックが実現可能であり、質感も視野に入れている。
受賞歴
- 三菱東京UFJ銀行「Rise Up Festa」にて前代未聞の優秀賞、審査員特別賞の二冠を受賞(2016年)
- リバネス主催・リアルテックベンチャー・オブ・ザ・イヤー 2016 スタートアップ部門受賞(2016年)
- EY Innovative Startup 2017に選出(2017年)
沿革
2018年10月 シリーズBラウンドで20.2億円を調達
2018年02月 本社を新宿区へ移転
2017年12月 リアルテックファンド、スパークス・グループ株式会社を運営者とする未来創生ファンド、株式会社日本医療機器開発機構への第三者割当増資を実施
2017年11月 東京都による第3回 医療機器産業参入促進助成事業助成金採択
2017年09月 NEDOによる平成29年度「研究開発型ベンチャー支援事業/シード期の研究開発型ベンチャーに対する事業化支援」採択
2017年02月 EY Innovative Startup 2017に選出
2016年04月 三菱東京UFJ銀行「Rise Up Festa」にて前代未聞の優秀賞、審査員特別賞の二冠を受賞
2016年03月 リバネス主催・リアルテックベンチャー・オブ・ザ・イヤー 2016 スタートアップ部門受賞
2016年01月 リアルテックファンド、グローカリンクより資金調達 資本金を4879万円に増資
2015年08月 本社住所を東京都渋谷区に移転
2014年09月 世界的に技術をリードするSRI Internationalの起業プロフェッショナルによる起業家養成研修NEDO TCP/SVVRプログラムに採択。数ヶ月間の座学とシリコンバレーでの2週間の実地研修を受講。
2013年07月 CEO・CTOが博士課程在学中に他メンバーとともに創業
経営者プロフィール
Ph.D.,代表取締役 粕谷昌宏
1991年頃から人類の限界を感じ始め、1998年に医療と工学の融合分野に可能性を感じ、2002年からサイボーグ技術の研究を開始。2011年にはロボット分野で活躍した35歳未満の研究者に贈られる日本ロボット学会研究奨励賞を受賞。日本学術振興会特別研究員を経て2016年にはロボット工学と人工知能工学で博士号を取得。回路設計から機構設計、ファームウェア開発やネットワークシステム構築と幅広く開発をカバーする。
取締役CTO 關達也
幼少期より人を模したロボットの実現を夢見、生体信号で機械を操作する研究や、生物模倣によるロボットシステムの研究を行ってきた。ワイヤー駆動の機構設計や制御アルゴリズムの開発を統括し、在学中には従来のロボット工学の概念にとらわれない独自の駆動機構研究により2013 IEEE Robotics and Automation Society Japan Chapter Young Awardを受賞。機構開発といったハードウェアから、制御システムのファームウェア、ユーザーインターフェース用ソフトウェアの他、解析ソフトウェア構築までソフトウェア、ハードウェアともに全般的を担う。
(同社Webサイト、同社Wantedlyおよび同社PR TIMES掲載情報を基に当社編集)