距離や身体的問題を克服、テレワークや遠隔教育などに利用。遠隔操作型コミュニケーションロボット「OriHime」
株式会社オリィ研究所
画像取得先: http://orylab.com/
会社概要・事業内容
会社概要
テレワークや遠隔教育などに利用される遠隔操作型のロボット「OriHime」を開発・提供するベンチャー。
距離や身体的問題を克服し、たとえベッドの上にいても「あいたい人に会えて、行きたいところへ行き、社会に参加できる」サービスの提供を、ロボットテクノロジーとパートナーシップにより実現する。
事業概要
- 共同プロジェクト事業
ビジネスとしてOriHimeを使いたい事業者や、社内の働き方改革などの社内プロジェクトの一環としてOriHimeや当社の持つ技術に興味を持つ企業など、共同でビジネスモデルや運用モデルを作成。 - OriHimeレンタル事業
個人や企業などOriHimeの利用を希望される方にOriHimeを短期・長期でレンタル。 - その他(ライセンス事業、OriHime eye事業)
視線入力方法の特許申請中の技術のライセンスアウトや、視線入力で文字を打つことのできるソフトウェア「OriHime eye」の提供など。
プロダクト
当社のプロダクトは、人々の社会参加を妨げている課題を克服するためのツールである。テクノロジーによって「できない」を「できる」に変換し、社会そのものの可能性を拡張していく。
分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」
生活や仕事の環境、入院や身体障害などによる「移動の制約」を克服し、「その場にいる」ようなコミュニケーションを実現。
カメラ・マイク・スピーカーが搭載されており、インターネットを通して操作可能。学校や会社、あるいは離れた実家など「移動の制約がなければ行きたい場所」に「OriHime」を置くことで、周囲を見回したり、聞こえてくる会話にリアクションをするなど、あたかも「その人がその場にいる」ようなコミュニケーションが可能となる。
【実現できるコミュニケーション】
- 遠隔操作でありながら、「その場にいる」という感覚を双方向で共有できる。
【使用シーンの例】
- 入院や身体障害などで通学できない児童が、OriHimeで「友だちと一緒」に授業を受ける。
- 育児や介護、入院や身体障害などで通勤が困難な人が、OriHimeでテレワークを行う。
- 海外赴任先から、OriHimeで日本の友人の結婚式に参加する。
「OriHime eye(オリヒメアイ)」
眼や指先しか動かせない重度肢体不自由患者のための意思伝達装置。透明文字盤をデジタル化したシンプルな操作方法で、PC操作をスムーズに行える。
ALS患者や難病患者と協力して開発した視線入力装置によって、透明文字盤を使うように文字を入力し、読み上げることができる。ひらがなや身体部位など基本的な文字盤の他、履歴機能や、自作文字盤の登録も可能。また、分身ロボット「OriHime」を接続して、インターネット経由で操作することできる。
【実現できるコミュニケーション】
- 難病や身体障害があっても、目の動きだけで意思伝達を行うことができる。
【使用シーンの例】
- 重度の身体障害がある患者が、OriHime eyeで家族と日常的な会話をする。
- OriHime eyeでPCを操作することで、寝たきり状態でも仕事を続けることができる。
- OriHime eyeでOriHimeを操作することで、遠隔地とのコミュニケーションを図る。
「OriHime-D(オリヒメディー)」
テレワークをしている人が遠隔で接客やものを運ぶなど、身体労働を伴う業務を可能にする、全長約120cmの分身ロボット。日本財団・ANA AVATARの協力の元で開発された。
「OriHime」と同様にカメラ・マイク・スピーカーが搭載されており、インターネット経由で操作できるだけでなく、前進後退・旋回の移動能力があり、上半身に14の関節用モータを内蔵。簡単なものをつかんで運ぶことができるほか、自由なモーションを作成してボタン操作で再生する機能も実装されている。
これにより、カフェでの接客やビル内での案内、作業現場を見回りながら指示を出すなど、身体を動かす必要のある業務のテレワークが実現可能となった。
現在当社では、この「OriHime-D」のさらなる可能性を探るべく、共同での事業開発・研究等が可能な企業・研究機関を広く募集している。
【実現できるコミュニケーション】
- 外出が困難な人でも、分身テレワークによって働き、社会の中で役割を持つことができる。
【使用シーンの例】
- 育児や介護、身体障害などで外出が困難な人が、分身テレワークでカフェの接客をする。
- OriHime eyeと接続することで、寝たきり状態の人が遠隔操作で身体労働を実施する。
- 遠隔地での業務指導を、OriHime–Dで実際に現場を移動しながら行う。
「OriHimeこどもプログラミング」
コミュニケーションを円滑にするためのロボットとそれを支えるプログラミングの重要性を当社の活動事例を交え学習できる。
当社では、分身ロボット「OriHime」やテクノロジーを使い、生活や仕事の環境、入院や身体障害により様々な「移動の制約」がある多くの人々の問題克服に貢献している。
当社の実際の活動事例を踏まえ、子供たちは、自分の学んだプログラミングが「誰かの役に立つ」という疑似体験をすることで、テクノロジーやプログラミングの重要性を学習する。
研修では、実際に分身ロボット「OriHime」を利用し、学んだプログラミングで動かすことが可能。プログラミングだけでなく、実際に人にどうのようにロボットが使われているのかを体験することで、考える力を育み、より一層学ぶ事が楽しくなる研修である。
学習対象年齢:小学3年生以上
【実現できるコミュニケーション】
- 実際に多くの方の問題を解決しているOriHimeを使ってプログラミングの重要性を学べる
- ツールとしてのプログラミングだけではなく、何のためにプログラミングを勉強するかを理解できる
【利用シーンの例】
- 既存のプログラミング研修だけではなく実際にプログラミングが使われている現場を体験したい方
- 実際に多くの方の問題を解決している会社の取り組みについてプログラミングを通じて触れてみたいという方
コミュニケーションロボット「OriHime」について
子育てや単身赴任、入院など距離や身体的問題によって行きたいところに行けない人のもう一つの身体、それが「OriHime」。
OriHimeにはカメラ・マイク・スピーカーが搭載されており、家や会社など行きたいところに置き、インターネットを通して操作が可能。OriHimeを操作することで、周囲を見回したり、あたりの人と「あたかもその人がそこにいるように」会話できる。
OriHimeを電源とパソコンに繋げるだけと操作は簡単。喜怒哀楽様々に見える能面を参考にデザインすることにより、利用者の表情を想像でき、徐々にOriHimeが本人に見えてくる。また、登録されたモーションと自由に動かせる腕があなたの感情表現を豊かにする。
「OriHime」の活用例
神経難病
たとえ呼吸器をつけていて喋れなくても、身体を動かすことができなくなっていても、自由に視界を操ったり、文章をロボットに読み上げさせることで会話をすることが可能。
教育機関
身体的、精神的な理由で教室に足を運べなくとも、まるでそこにいるように友達と席を並べ、出席する事が可能。勉強は病室で一人でもでも出来るが、分身を使うことで、友達を作ったり、遊んだり、思い出を残す事ができる。
フリースクールや特別支援学校、私立小学校など、少しずつ導入事例が増えている。
在宅・遠隔勤務
育児や保育、病気、ケガなど様々な理由で出勤できない人に対し、「OriHime」を使えば家や病院から、そこにいるかのような存在感を持ってオフィスとコミュニケーションを取ることが可能。
テレワークでのコミュニケーション手段として、「OriHime」を採用する企業が増えている。
経営者プロフィール
共同創設者/代表取締役/CEO 吉藤健太朗
高校時代に電動車椅子の新機構の発明に関わり、2004年の高校生科学技術チャレンジ(JSEC)で文部科学大臣賞を受賞。翌2005年にアメリカで開催されたインテル国際学生科学技術フェア(ISEF)に日本代表として出場し、グランドアワード3位に。高専で人工知能を学んだ後、早稲田大学創造理工学部へ進学。自身の不登校の体験をもとに、対孤独用分身コミュニケーションロボット「OriHime」を開発(この功績から2012年に「人間力大賞」を受賞)。開発したロボットを多くの人に使ってもらうべく、株式会社オリィ研究所を設立。自身の体験から「ベッドの上にいながら、会いたい人と会い、社会に参加できる未来の実現」を理念に、開発を進めている。ロボットコミュニケーター。趣味は折り紙。
共同創設者/CFO 結城明姫
高校時代に流体力学の研究を行い、2006年の高校生科学技術チャレンジ(JSEC)で文部科学大臣賞、YKK特別賞をダブル受賞。インテル国際学生科学技術フェア(ISEF)出場を目前に結核に倒れ長期入院を経験するが、翌年同大会に再出場し、グランドアワード優秀賞に。2007年のISEFではStudent Observerとして参加。国際基督教大学教養学部に入学後、ノーベル賞受賞者を招いて行われるAsia Science Camp2009にてBronze Medalを獲得。2011年には代表吉藤と共に参加した早稲田ものづくり大賞、学生起業家選手権、キャンパスベンチャーグランプリ等において留学先のロンドンから「OriHime」のデモを行い、優勝する。国際基督教大学(ICU)教養学部卒業、University College London(UCL)Innovation Management Major交換留学生。
共同創設者/CTO 椎葉嘉文
2008年、制作会社勤務。システム開発部に所属し、Web制作業務を担当。2012年にフリーランスプログラマとして独立。かねてより親交の深かった福島のボランティア団体および共通の友人を通じて、当時「OriHime」の製作を行なっていた吉藤と出会い、技術者として意気投合。いくつかのプロジェクトを共同で行い、親交を深める。その後、株式会社オリィ研究所の共同創設者(ソフトウェア開発担当)として正式に参画。
(同社Webサイト、同社Wantedlyおよび同社PR TIMES掲載情報を基に当社編集)